最強の霊能力者と最悪の約束をする2
昨日の続きです。
もう逃げられないと悟った私は、観念して西塔さんの言うことを聞いた。
霊とは
死んだときの無念だけが残ったエネルギー体で、人間のほかの部分は天に昇ってい
るとのこと。つまり、良心や常識が無く、怒りや憎しみ、苦しみの塊・・・・・。
平将門は確か、首を刎ねられて死んだはず。その時の怨念しかないわけか。
私は、何とか心霊ツアーを止めるような話の流れにしていこうと、心に誓っていた。
思い切って西塔さんに尋ねた。
そんなに凄い霊に接触して、大丈夫ですかね?
彼女の顔はみるみる険しくなり、いきなりガバッと私の腕をつかんで思いっきり引っ張り
今までとは明らかに違う、迫力のある声で
こうやって引きずり込まれる人がいたら、引っ張り返すの!!
ちょうどその言葉が終わるか終わらないかの時だった。
バツンッ と鈍い音がして
お店の電気が全部消えた・・・・・。
中央区銀座8−5 酒菜 「おかだ」 11月09日 pm10:50
おおお・・・ 満席の客がざわついている。
いいよね、君たちにすればタダの偶然で。
すぐに店の人が復旧させ、明かりが点く。
玉木がおちょこを持ったまま気絶していた。
おいっ、玉木!大丈夫か?
ピクリとも動かない。パントマイマーかおまえ?
それとも、平将門にもう引っ張り込まれたのか!?
ここは銀座の居酒屋だぞ!将門塚じゃないぞ〜! お〜い!
数分後、ハッとわれに返って、周囲を見渡す玉木。そして
何も言わずに俺の背中に抱きついてきた。
え〜い!気持ち悪い、離れろっ!!
周囲の目が針を刺すように痛い。どう見てもモーホーの世界だ。
私は疑念の目をした西塔さんに向かって
選手交代ですかね?
と聞いた。すると
私も怖いわよ、テレビクルーと先を争って逃げることあるもん。相手が化け物だと。
そんな相手もいるのか・・・もういやだいやだぁ!俺だけ逃げ遅れたらどうしよう・・・・・
待てよ、さっき、俺はこの世界に触れないほうがいいと確か西塔さんが言ってた。
西塔さん、私は行かないほうがいいですよね?
どうして?
どうして? これは意外な言葉で聞き返された。私は順を追って、さっき彼女に言われ
たことを復唱した。
私、そんなこと言った?酔ってるのかしら・・・・。
お〜〜いっ お〜いっ お〜いっ ・・・・・・ ←こだま
こうして、私たちの意に反して、心霊ツアーが近日決行されることとなった。
本当に合掌