●更新日 07/29●
このエントリーをはてなブックマークに追加






佐世保女子高生殺害 精神科医ヤブ





仕事で佐世保に赴任している友人から連絡が来た。


「あの事件、実は娘が通っている高校の生徒たちだった。娘はわりと平気な顔で登校していったが、自分と妻がかなりまいっている」


高校側は、生徒の心のケアのためにカウンセリングを用意すると説明しているようだ。しかし、現時点で得体の知れない恐怖にとらわれパニックに陥っているのは、むしろ親のほうである。


現在の親たちの心理状態は、中の見えない箱に手を入れるゲームの参加者と似ている。客席からは箱の中にコンニャクが入っているのが見えているが、手を入れるほうは何が入っているか分からないというやつだ。

これを今回の事件に置き換えるなら、隣で同じゲームをしていた人が箱の中で指を食いちぎられたようなものだ。それを見た後で、目の前の箱に安心して手を入れられる人はほとんどいない。


子どもたちは観客であり、彼らには見えている。猛獣が入っている箱と、コンニャクが入れられている箱。そして、猛獣の入っている箱は取り除かれたのだ。高校に通う子どもたちは、自分の友人がコンニャクに過ぎないと分かっている。だから、高校に行くのは怖くないし、友人同士で遊ぶのにも恐怖は感じない。


ただし、被害者・加害者と親しかったり、同じクラスだったりした生徒たちについては別である。上記のゲームに例えるなら、同じ観客でも、指が食いちぎられるのを間近で見たようなものだ。彼らは重点的にケアする必要がある。それと同時に、実は最も動揺し怯えている多くの親へのケアを徹底しないといけない。


こういう時、学校は「子どもたちが安心して通える」ということを謳い文句にして頑張るが、「親が安心して通わせられる」という視点も忘れず大切にして欲しい。



ヤブ ヤブ


このエントリーをはてなブックマークに追加


関連ニュース
『侵入者あり1』 〜精神科医ヤブ
『侵入者あり2』 〜精神科医ヤブ
栃木女児殺害 〜精神科医ヤブ



探偵ファイルのTOPへ戻る