●更新日 06/15●
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窓を開けてる霊柩車





どんなに経験豊富な葬儀屋でも、できればお会いしたくないホトケさんがいます。


「腐乱死体」


その鼻を突き刺す強烈な死臭は、何度経験しても慣れることはありません。
腐敗がかなり進行していた場合は、遺体袋に納められています。

遺体袋

その日のお迎えは大学病院の霊安室。死後1ヶ月程経った男性との事。

真夏のうだるような暑さが続く中での死後1ヶ月…


中に入ると、担当の若い刑事さんが私の到着を待っていたかのようでした。

「遺族の方には顔を確認できる状況じゃないと伝えてあります」

「そうですか、ではこの(遺体袋)まま棺に納めます」

匂いからしても相当酷いんだろうと思いながら、さっそく作業に取り掛かろうとすると…


ガチャ

「いやぁ、今日も暑いねぇー」


ベテラン刑事登場。


いかにも(自分は百戦練磨の刑事だぞ、これぐらいはどうってことねーんだぞ)と言わんばかりの態度。そのまま遺体に近づき、こう一言。

「そういや葬儀屋さん…顔は見たのかい?」

(はぁ?何を言い出すんじゃこいつは…)

あえて聞こえないフリをして作業に入ろうとしたその時でした…


ジジジと遺体袋のジッパーを開け、


「あー酷いね、こりゃ」


ジーザス…

この世のものとは思えない形相。ハリウッドの特殊メイクなんざ足元にも及びません。
とにかく両膝ガクンガクンになりながらも何事も無かったかのように納棺を終わらせました。


「では、お連れいたします。どなたか一緒に乗られますか?」


「あ、いえ…先に行っててください。」


車の中はすでに死臭が充満。


「はい。」


真夏の厳しい日差しが照りつける中、
窓を全開にして走る霊柩車を見かけたら、それはきっと…

「腐乱死体」が一緒に乗ってますよ。

霊柩車



おくりびと大場 おくりびと大場


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