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●更新日 04/03●
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マスコミが報じない社会問題「地方都市の死神」





遊び慣れた男性なら、岐阜県岐阜市の柳ヶ瀬という地名にピンと来るはずだ。

 在りし日の柳ヶ瀬

飲み屋やキャバクラ、風俗店などが軒を連ね、美川憲一の出世作「柳ヶ瀬ブルース」に歌われた中部最大の歓楽街のひとつ。猥雑さとローカル感、懐かしさが不思議に調和し、ただの色街と言い切れない魅力がある。3月中旬、最も混みあうはずの土曜日にこの地を来訪。そこにはあまりにも意外な光景が。








すれ違うのは暇そうな客引きばかり。店も閑古鳥が鳴き、シャッター商店街が延々と続く。街が死んでいた。取材を続けるとその原因が見えてきた。

「2012年に行われた国体だよ。浄化で夜の店が軒並み潰された。それ以来外部からのお客さんはパッタリだ。一昨年の同時期に比べ、売上が4割減った」(キャバクラオーナーの男性/50代)

健全な体育大会の開催地に、ネオンぎらぎらの盛り場があっては教育上よろしくない、ということか。だが、これに苦言を呈するのは水商売関係者だけではない。

「岐阜市は繊維問屋の街として発展したけど経済は停滞。柳ヶ瀬が呼び込む人の流れが生命線だった。国体の経済効果は約500億円だって触れ込みだったけど実感できない。国体は一度きりだが、住民の生活は続くわけだから、迷惑どころの話じゃないよ。生活の基盤がズタズタになった」(商店経営の男性/40代)

メインストリートの風俗店は姿を消したが、代わりにデリヘルや裏風俗が増えた。客が減り、キャバクラでは収入を得られなくなったシングルマザーが、泣く泣くデリヘルに移籍するケースも増えている。これが浄化された健全な街の姿だろうか。




イメージアップのために浄化をしたい気持ちはわかる。だが街の灯火まで消してしまったら元も子もない。2013年は東京で開催、その後、長崎、和歌山、岩手……と続くが、各地方都市の住民は戦々恐々としているという。



ニノマ ニノマ




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