最後にハゲは勝つ　　　　　BOZZ

旧来の読者はご存知だと思いますが、３年前に腫瘍の治療で頭に１００円玉ハゲが出来ました。あれから何度か治っては再発。後頭部なので風が強いと見えるらしい。昨日アートネイチャーに相談に行きました。

結論から言うと２時間黙って聞いていたら１２５万円のカツラを奨められました。


どうして１００円ハゲでカブリモノが必要になるのか分からない…。
まず、一番理解できなかったのは同じカツラを２つ作らないといけないこと。一か月ごとに交換してメンテナンスするそうな。１つが６２万円×２なわけです。
私は尋ねました。
「１つが６２万円なのは百歩譲るとしても、どうして同じデータで作る２つ目も同じ金額なんですか？しかも２個セットじゃないとなぜ作ってくれないんですか？」
ヘアスタイリストは見事に無視して答えてくれません。そして質問する度に少し待ってくださいと言って奥の部屋に消えていく。絶妙なタイミング。ていうかマニュアル。
やがて呼びもしないのに店長が来ました。私はこう尋ねてみました。
「１２５万円もするセットをサラリーマンが買うのですか？２年くらいしかもたないとヘアスタイリストさんが最初に言ってましたが…」
すると、あろうことかにこやかにこんな言葉が返ってきました。
「はい、機能が良い新製品も出ますし。」

もちろん、この間にも話しながらシャンプーしてくれるわカットしてくれるわ頭のマッサージしてくれるわと至れり尽くせり。これで断れる人はなかなかいないかも。
トドメは「製品が出来上がるまでハゲを隠しましょう。」と１００円玉の輪郭を慎重に測って人口毛をテープで貼ってくれたのです。「あら？これで十分じゃない。これいくら？」と聞いたら「サービスですので売り物ではございません。」

どう考えても１００円ハゲで２年に１回１２５万円払う気持ちになれない。トップにボリューム出ますよ、と言われても芸能人じゃないからマッチみたいな髪型いやだし。
私は「少し考えます。」と言って保留を申し出た。
すると



あ、その人口毛はレンタルなんで一か月後に必ず返してくださいね。



私が使い古してヘロヘロになったこの一片を本当に再利用するのだろうか。







記念に売ってもらったアートネイチャー特製スカルプシャンプー６０００円





渡邉文男（BOZZ）