
●更新日 07/10●
原発テロ予告の東京電力社員、その後どうなった?
今春に世間を騒がせた、原発の防護管理を担当する東京電力の社員による「原発テロ予告」問題を覚えているだろうか。 (関連記事 1 2 3)

その後、この件はどうなったのか。東京電力の柏崎刈羽原子力発電所に取材を申し込み、話を聞いた。

一連の騒動を扱ったスレッドでは、執拗な荒らし行為が続いてきた。そのため、当該の社員もしくは東京電力に関係のある人物によるものではないかと推測されていた。九州電力の「やらせメール」事件が発覚したこともあり、東京電力も同様の行為に及んでいるのではないかと疑う声もあった。
この点を尋ねたところ、「荒らし」の実態や、そのことで憶測が飛び交っていることを、広報担当者は把握していなかったそうだ。東京電力では、社員への書き込みの指示は出していないとのこと。そもそも、業務に関係することをネットに書き込んだりしないよう、社内で周知しているという。
先月半ばには、東電に問い合わせたという人物の書き込みが話題になった。「東電ではスレッドを調査していて、悪質な内容に対しては刑事告発する予定がある」というのだ。だが、これらの噂は事実ではないと、担当者は明言した。
問題を起こした社員は、社内の規定に従って処分したという。本件についての状況説明は広報担当者の役割であり、社員本人から説明や謝罪をすることは、今後も一切ないとのこと。処分内容も、公表しないそうだ。

ブログという個人の場で起きた問題だったという社としての判断は、現在も変わらないという。「当社として世間一般の方にご不安を与えたこと、不快に思われたことは申し訳なく思っているんですけれども、行為そのものは社員個人が行ったことです」と担当者は述べた。
この騒動が、東電に対する世間の批判を増長させたことは間違いない。原発テロ予告は、結果として自社への自爆テロになってしまったようだ。
高橋
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