●更新日 12/02●





韓国の治療は間違ってなかったか    〜医師の視点






BOZZです。昨日の記事に対し医師さまからご指摘を受けました。読者にとって非常にプラスになる内容と判断しましたので掲載いたします。(編集で短くしています)




先ずは、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りします。
海外の医療費事情からすれば、私的に考え、妥当な金額ではないかと思っております。
米国での医療費の例なのですが、ざっと計算して日本の医療費の10倍近い費用が請求されます。
虫垂炎手術での例を挙げれば、米国では1泊入院で、最高300万円近い費用ですが、日本の場合、5日入院でも30万から40万です。皆保険の日本ではその内3割負担なので、実際に窓口で支払うお金は10万ちょっとになります。
他の国々の医療費も軒並み高く、先進国では日本の医療費は格安です(超デフレ)。中国、東南アジア諸国の費用と比べても安いです。
お隣、韓国の医療費も医療行為に対する費用設定は、日本より割高です。重度火傷の治療一式、皮膚移植手術、人工呼吸器装着、ICU管理等が行われていれば、韓国であっても、そのくらいは請求されるかと思います。
日本で受ければ、BOZZさんの友人の医者の方が仰る通りの費用で済むかと思います。

ですが、費用を無視して本気で助けようとすれば、保険請求が通らない薬剤、資材をふんだんに投入することにもなりかねません。重症ならば尚更です。しかし、医事請求出来る金額は保険の範囲内ですから、保険適用外の治療費は当然、病院の持ち出しとなり、ちょっとの事ですぐに赤字になります。それでも患者負担はほとんど変わりません。しかし、そんな事をすれば、医事課からは保険が通る範囲で治療をしてくださいと突つかれます。なので国内では、多くの病院は保険で収まる範囲で治療していると思います。
中には医療コストに疎いのか、知ってか知らずか、保険が通らない治療、薬剤をバンバン選択して大赤字を作る医師もいます(過剰診療ではないです。その方が良い結果を望めると思える治療です)。最後まで諦めまいと熱血治療をしますが、如何せん重症患者ですから最後は結局亡くなってしまう事もあるし、その治療が功を奏して奇跡的に回復する事もあります。しかし、熱血スペシャル治療ゆえ、膨大な赤字が残ります。全てとは言わなくても、せめてこの例くらいは、状況が状況なのだから、保険適用にならない数回分の治療に掛かる費用が、例外で保険で通ってくれれば良いのになと思う様な例に遭遇する事があります。

ちなみに重症の火傷は、当初、容態が良好でも、日を追って状態が悪化していくのがだいたいのパターンです。助かるかなって思っていても、最後は駄目だったケースが多い様に思えます(医者にしてみれば、無理っぽいけど、がんばれるだけがんばろうって見立てだったかもしれませんが)。
そういった事を考えれば、韓国の病院が、費用無視で全力で高度治療に当たったとすれば、請求されても不思議ではないと思う金額なのです。そして、全身火傷にも拘らず、よくここまで生存させたなと思えるのです。ちなみに韓国は、私にとって世界で一番嫌いな国です。けっして韓国を擁護する趣旨で書き立てている訳ではないので、誤解なきようお願いします。

世界的に見ても、決して高い費用とも思えません。もし、これが、ICU一泊100万円からの米国だったならばもっと高額な費用を請求されていると思います。海外の医療費事情はもとより国内の医療費事情に対しても関心が薄ければ、今回の医療費請求額が高いと思われるのも、無理は無いと思います。個人的な感覚での意見ですが、米国の医療費設定は高すぎる。日本のそれは低すぎると思っています。
私も一患者として手術を受けた事もあり、患者の視点からすれば、日本の医療費の安さ(高額医療費給付制度を含める)は、非常に有り難いと感じています。しかしながら、現在、この日本の医療制度は諸問題で破綻しかけています。

追伸

海外(米国領)で自損事故に会い半身不随になってICU管理で入院された方がいます。早々に家族(医療関係者)がチャーター機を手配して日本に帰国させました。
チャーター機の費用は相当高額だったらしいですが、それでもそのまま入院していたら一週間でかかる医療費の方が、遥かに高額だからというのが理由でした。
海外旅行保険の補償限度額を超えると恐ろしい事にもなるし、状況からしてすぐに超えそうな勢いだったので、即決でチャーター機を頼んだそうです。


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気軽に海外に出向くバックパッカーの人達も、保険はしっかり準備されたほうがいいですね。
BOZZ







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