●更新日 05/02●


もし新型だったら!?学校と親の対応はこれでよかったのか


新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)に感染した可能性があるとされていた高校生の通学先では、集団感染の可能性が放置されていたことが発覚した。

神奈川県在住の17歳の男子生徒に感染の疑いがあると、5月1日に報じられた。問題が発生したのは横浜市栄区の山手学院中学校・高等学校である。学校HPにも、1日付で「臨時休校のお知らせ」が掲載された。その後、生徒が感染したのは新型インフルエンザではなかったと判明したが、見過ごすことのできない重大な問題がある。


山手学院サイトの「お知らせ」


同校の大勢の生徒のブログに、インフルエンザ感染を示唆する内容が数多くあった。カナダへの旅行から帰国後の日記に、既にインフルエンザの諸症状らしきものを訴える記述が続出していた。しかも、帰国してから今日までの間に、生徒らは症状が十分には回復しないまま各所へ出かけていた。


生徒のものと思われる書き込み


ここ数日間の報道を見て、自分たちが新型インフルエンザに感染したのではないかと書いた生徒もいた。「豚インフルだったらウケる」などと記してネット上で反感を買った生徒もいたが、このような状況を学校はどの程度把握していたのか。そこで1日、山手学院に取材を申し込んだ。


生徒のものと思われる書き込み


同校によると、1日の1時30分の段階まで、生徒の感染可能性について全く把握していなかったという。他の生徒への感染も、可能性は決してゼロではないとの前提に立って、対応を進めているとのこと。具体的には、旅行に参加した生徒らの確認をとっている段階であるという。

また、生徒らがブログで諸症状を訴えていたこと、それがネット上で騒ぎになったことは、探偵ファイルの取材で初めて知ったそうだ。生徒らの間では、これまでにインフルエンザに集団感染したのではないかとの噂や情報が広まっていたことが、ブログの内容から判断できる。だが、教員たちにはそのような情報は、一切伝わっていなかったという。

生徒や保護者らは新型インフルエンザについて知りながら、なぜ学校に伝えようとしなかったのか。そして、この問題の重要性を知りながら、なぜ学校は生徒らに早い段階で確認をとろうとしなかったのか。

新型インフルエンザではなかったから問題はないというのは誤りだ。感染してしまってからでは手遅れであり、どうやって集団感染を未然に防ぐかということが大事だったはずだ。その意味で、山手学院関係者らの不手際は重大であり、その責任は厳しく追及されるべきだ。



高橋



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