●更新日 02/25●


「伊勢丹商法」が不況の嵐に大苦戦!?


伊勢丹といえば、集客に成功したデパートの事例として語られることが多い。ネット上で検索してみると、それを題材とした書籍が数多く出てくる。



伊勢丹の様々な成功の一つとして知られるのが、新宿店での紳士服の販売だろう。「メンズ館」として、他店にはない商品を取り揃え、多様なサービスを展開することで成功を収めてきたと言われている。そんな同店に、このところ変化が見られるようだ。同店の内情に詳しい人物から、興味深い話を聞くことができた。

不況の嵐は、同店にも少なからず影響を与えている模様だ。そうなると、どのような商品を中心に展開するかということについて、戦略を練り直す必要が出てくる。特に見直しを要するのは、主要な購買層をどこに設定するのかということであるという。この点に関して、今春から従来の路線の見直しが一部で図られているそうだ。

具体的に言うと、今後は従来よりも低価格な商品、奇抜さの少ない商品の充実を図るべきではないかという案が出ているという。高額な商品を大量に購入する得意客も存在するとはいえ、その数は限られている。全体として見ると、流行っているからといって高額なものでも購入してくれる客の数は、減りつつあるとのこと。

商品が売れないことの事例は何かと尋ねたところ、奇抜なデザインや特殊な素材の靴であるという。同店では昨年の春、そのような商品を2階に大量に置いたという。ところが、セールになっても売れないばかりか、昨年末から今年にかけての冬のセールでも売れなかった。その結果、1年前に仕入れた靴が、今も店頭に大量に並んでいるのである。



これまで同店では、話題性の高いもの、今後人気が出ると思われるものをいち早く取り揃えてきた。それと共に、人気に陰りが出始めるとすぐに取り扱いを中止してきた。このように新しいものを次々に取り入れていく戦略の限界が見えてきたのではないかと、取材に応じた人物は述べた。

ちなみに、高島屋の新宿店が改装に伴い、流行を意識した商品を多く置くようになった時、「ニセタン」と揶揄する声もあったという。今後も伊勢丹は他社のモデルであり続けることができるのだろうか。その答えは、現在進行中という改革にかかっていると言えそうだ。

その他にも、同店が抱える問題等について、多くの話を聞くことができた。だが、今回の記事の趣旨からは外れるものであるため、機会があれば改めて紹介することにしたい。




高橋



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