●更新日 08/18●


最凶の場所に最悪の女と行く


花魁淵。やはり関東でここほど不気味なところはない。
近くには大菩薩峠、奥多摩に続く無数の隧道。
不気味な集落、街灯もなく漆黒の闇に浮かび上がるダム。
そしていくつもの滝に囲まれた花魁淵。
懐中電灯を照らしてもその光は闇に吸いこまれ何の役にも立たない。
あまりにも条件が整い過ぎて、週末の午前零時にもかかわらず訪れる者は皆無。
峠攻めの走り屋をたまに見かけると逆に安堵する。




         訳が分からない奇妙な集落


帰りにビデオを再生していたら突然胃痛に襲われる。心臓の鼓動に合わせズキン、ズキンと。
普段は胃腸が丈夫過ぎて困っているくらいなのに、この夜生まれて初めて胃の位置が分かった。
ただならぬ異変を感じたので詳しいレポートは九坪に任せることにした。一眼レフで撮ったフィルムも何もかも全て彼に押し付けた。離婚したばかりの彼が現時点で呪われても悲しむ者は皆無だ。

さて、読者情報の

くれぐれも、花魁淵のそばの奥多摩湖畔の宿には泊まらないようにしてください。

この言葉が気になり湖に向かう。
豪雨の土砂崩れで全壊し死者が出た旅館跡に着いた時。
私はいきなり激しい悪寒に襲われた。
たまらず車に戻り上着を羽織る。






震えて足をさすっている私に梅宮女史が言った。
糞(くそ)しに行っていいですか?
あ?』
あまりの衝撃に返事をためらっているうちに闇夜に消えて行った。
私が異常事態だと言うのに、人が死んだ旅館の瓦礫で平気で野グソが出来るか普通。
君の存在は最凶スポットの怨念をも軽く屁で吹き飛ばす。頼むから霊気と空気読んでくれ。

すべてをぶち壊す女その名は梅宮貴子。やっぱり連れて来なければ良かった。たくさんの遊女が殺された花魁淵でずっと貞子の真似ばかりしてウザイし。キチガイがいると霊も怖がって寄ってこないだろうが。と言うか本当に日本中の全悪霊から呪われていっぺん死んだらどうか。





BOSS



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