●更新日 07/14●


シリーズ悪女@『スナック美人ママ連続殺人事件』


この女に狂った男共は皆人生を狂わされた。
この女の魅力は一体なんなんだ?


男を次々虜にし骨の髄までしゃぶった女、高橋裕子。
2004年、中洲の元スナックのママ高橋裕子(当時49歳)は、店の客や交際相手を恐喝し、金を騙し取っていたとして恐喝容疑で逮捕される。
しかしこの逮捕は別件でしかなく、警察の本当の狙いは元夫二人に対する保険金殺人だった。


写真 高橋裕子被告


福岡県糟屋郡で資産家の娘として生まれた高橋は、才色兼備として近所では有名だった。
武蔵野音大を卒業後に出会った男性と結婚し、二人の子供に恵まれるが離婚。
次に出会ったのが最初の犠牲者であり2番目の夫、野本雄司さん(当時34歳)
野本さんは高橋が前夫と住む予定だった新居を建てた一級建築士。その際、高橋の美貌に惚れこみ結婚。しかし結婚から7年後、野本さんの事業が傾き「借金で私まで苦しむのは嫌。あなたが早く死になさいよ」と高橋に責められるようになり野本さんは自殺を計るようになる。
そこで高橋は、当時の子供の家庭教師として出入りしていた井出健一(当時23歳)に野本さんの殺害をほのめかす。 「結婚して欲しい」とプロポーズするほど高橋に惚れこんでいた井出は、高橋と二人で自殺と見せかけ野本さんを殺害。
野本さんは自殺として処理された。

写真 殺害された野本さん

この事件で手に入れた金で中州にスナック「フリージア」を開店した高橋。
そこに客として現れたのが二人目の被害者高橋隆之さん(当時54歳)
隆之さんと3度目の結婚をした高橋だが、当時すでにバブルが崩壊後であり、店の売上もままならず金銭的に苦しい状況が続いていた。結婚してわずか1年足らずで高橋は「あなたのせいよ。自殺して保険金をちょうだい」と隆之さんを追い詰めるようになる。
そして隆之さんも「惚れこんだ裕子の為に自殺して保険金を残すしかない」と考え、自殺をすることを高橋に提案。隆之さんは浴室で睡眠導入剤を飲むも死にきれず、意識が朦朧としているところを高橋が「今しかチャンスはない」と浴槽に沈めて殺害。
その後、保険金を受け取るも実際に支払われた額は予想をはるかに下回っていた。
その頃から高橋は客を恐喝し始める。そこで共犯とされるのが青木文雄(当時48歳)。
彼もまた高橋に狂った男の1人。「学生時代から好意を抱いていた高橋の愛情を独占できるなら」と恐喝に手を貸していた。

写真 学生時代の高橋

この女がどんな手口で男を虜にし騙していくのか、

実際に高橋裕子と肉体関係を持っていた男性に話を聞くことが出来た。

沢井氏(仮名・当時54歳)と高橋裕子との出会いは2002年の春、友人の紹介だった。
色白美人の高橋に一目ぼれをした沢井氏は猛烈にアタックし、その日のうちに肉体関係を結ぶ。
沢井氏は「そりゃ驚いたよ。見ての通りずんぐりむっくりのオレになびいてくれたわけだから、夢のようだったよ」と、当時のことを語ってくれた。
しかし幸せは最初だけ。
度重なるオネダリに沢井氏のフトコロが追いつかない。断ると泣き落としで迫られる。
結局、沢井氏は消費者金融から300万円借金し高橋に渡す。
もちろん返って来るお金ではないことを承知に。
『彼女の一番の魅力は何だったんですか?』の私の問いに沢井氏は真顔で答えた。
「オレの部屋で一緒に過ごした次の日の朝に作ってくれる温かい朝食。男ってこういうのに弱いんですよ。特にオレのように女性に縁がなかった男だったらセックスよりもぬくもりにやられてしまう。
それと夜になると泣くんですよ。夜になると家族に愛されていなかった幼女期を思い出すと言っては泣いてくんです。強い女が見せる涙。結局男はこれに騙され利用されちゃうんだろうな」


今回の悪女の手口は朝食と涙。ここに美貌が加わると男はイチコロなのか。
何人もの男の人生を狂わせた女の手口は意外にも古典的だった。


女性によるおぞましい殺人事件が日本中に起きている。
私はそんな悪女たちの手口を独自の目線で暴いていく。



女探偵ナオミ



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