●更新日 07/01●


「クラブ ベーゼ」の実体


交際クラブ詐欺 ベーゼ1 交際クラブ詐欺 ベーゼ2 交際クラブ詐欺 ベーゼ3

幽霊会社「交際クラブ ベーゼ」
そこからお金を受け取る「不二化」
倒産したはずの鉄道会社「磐梯急行電鉄」
休眠会社やペーパーカンパニーを扱う、会社ブローカーの
「D社」

最初は単純に『「交際クラブ」を巡るトラブル』を調べているつもりだったのに、気付けばいつのまにやら、複数の怪しげな会社が入り乱れる複雑怪奇な調査になってしまっている。

なんでこうなるんだろう? 困ったもんだ。

知らない人のために説明しておくと“休眠会社”というのは「活動を休止している会社」のこと。
以前は「休眠会社を買った方が資金が安く済む」などの利点があったのだが、現在は法律が改正され、メリットはせいぜい2つしかない。
@歴史の古い信用ある会社に見せかけることができる。
A個人では取得の難しい小切手や手形、そして多額の金額を扱える。


ぶっちゃけ「詐欺会社」に最適。

詐欺を題材にしたコミックにもしばしば登場する。

そういう“休眠会社”“ペーパーカンパニー”を売買しているのが「D社」
そして、創業明治41年の歴史ある休眠会社「磐梯急行電鉄」は、「D社」の“目玉商品”というわけだ。

(では「不二化」は?)



調べてみると、やはり「不二化」も「D社」に管理されていた。
こちらも15以上の会社に分割され、切り売りされている。
「不二化」もまた「D社」の“商品”のひとつというわけ。

そして、よくみると「不二化」から切り取られた会社には、半数以上に「ある特徴」があった。

『会社の社長が「福岡県在住の人物」に変更されている』という点。
「A氏」だったり「B氏」だったりするが、ほとんど福岡県人
つまり、こういうこと。
@「不二化」から会社を分割。
A分割した会社の社長を「福岡在住の人物(A氏やB氏など)」に変更。
Bさらに会社の名前を変更。
Cさらに会社の住所を東京都内の某所へ変更。

(なんでこんなややこしいことを?)

決まってる。会社の素性を調べにくくするためだ。
そして、どうやら、この「D社」。福岡に“お得意様”がいるらしい。

(それなら「不二化」から切り取られたペーパーカンパニーの社長「A氏」「B氏」たち)
(彼らの共通点をさがせば、その背景がわかるはず……)

そして共通点はすぐに見つかった。
手がかりは新聞記事。

(毎日新聞記事より抜粋)※氏名のみ改変
スナックで客の無職男性に因縁をつけ、その場で10万円を脅し取り、さらに500万円を脅し取ろうとした恐喝と恐喝未遂の疑いで、福岡市の山口組暴力団組幹部「A氏」組幹部「B氏」、組員のT氏、組員のY氏、鉄筋工のS氏を逮捕した。


お得意様。


どうやら、ようやく全体像が見えたようだ。

広域暴力団『山口組』と繋がる会社ブローカー。
そこが運営・管理するペーパーカンパニー。
そこから派生した実体の無い幽霊会社。


それが「交際クラブ ベーゼ」の正体だ。


⇒つづく



特捜班:九坪



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