●更新日 05/31●


男女差別?大学教員雇用の実態


大学というと、男性の教員ばかり・・・そんなイメージは昔も今も変わらない。

しかし近年は、日本の大半の大学が、女性教員の占める割合を増やすべく努力しているという。その背景には、あの「男女共同参画基本計画」がある。出産や育児によって、研究職を断念しなければならない女性も多かったとのことで、職場環境の改善という視点からも望ましいとされている。

男女共同参画基本計画 ※クリックで拡大

しかし、必ずしも喜ばしいことばかりではなく、新たな差別問題が生じているようだ。今回取材したSさん(仮名)は、大学院で国際政治の博士号を取得後、任期付きの研究員を務めている。そんなSさんが、念願の博士号を取得した時の話だ。

Sさんは、世話になった指導教授の研究室を訪ねた。その時の教授の一言が、今も脳裏に焼きついているという。教授はSさんに、こう言った。

「あなたは申し分ない論文を仕上げ、将来にも期待しています。

唯一残念なのは、あなたが男性だったことです。女性だったら、もっといい研究者人生になったかもしれませんね。」

つまり、現状では研究職の公募では、実質的には男性が不利なこともあるということだ。大学の公募情報を見ると、「同等の業績であれば、女性を優先的に雇用します」と公言している大学が少なくない。

同等の業績であれば女性を優先的に雇用


また、公募では、実際には女性教員の採用のみが想定されている場合もあると、Sさんは指導教授から聞いたとのこと。男性であるという、本人にはどうしようもない事実によって、不採用になっているかもしれないのだ。

もちろん、これまでは出産や育児があり得るという理由で、女性の教員採用に否定的だったという問題があった。しかし、そうした状況を改善するはずの政策が、いつの間にか、このような本末転倒な結果を招いている。

ちなみに、Sさんの指導教授は、かつて国際機関に勤務していた。Sさんが指導教授から聞いた話では、同様の傾向は国連等にも見られ、「国連職員になることは、男性である時点で諦めた方がいい」と現状を揶揄する声も関係者の間であるそうだ。

男女共同参画にはそれなりの意義があるとしても、響きのよい言葉に踊らされることなく、その中身をしっかり検討する必要があるだろう。




あなたが体験した逆男女差別を教えてください。

男性からみた「これはおかしい」と思うもの。女性から見ても「これはおかしい」と思うもの。
あなたの感じたことをお送りください。

お待ちしております。



高橋+探偵ファイル



◇上記のタグを自分のサイトに張ってリンクしよう!


探偵ファイルのトップへ戻る

前の記事
今月のインデックス
次の記事