●更新日 05/23●


「バター品薄」報道にはウラがあった!?


乳製品、特にバターが品薄になっていると、テレビや新聞で盛んに報じられている。その背景を探ってみると、なかなか表には出てこない事情もあるようだ。

バターの品薄に最も影響しているのは、やはり乳牛の大量処分であるとされている。生産過剰状態の打開のためになされたものだが、今や不足状態に陥っているようだ。とはいえ、牛を育てるためには年月がかかるため、不足しているからといって急には増産できない。

これまでは安定してバターを仕入れることができていた都内の高級スーパーマーケットでも、ついに品薄状態に陥っているという。担当者に話を聞いてみた。

「バター品薄」報道にはウラがあった!?

――いつ頃から品薄になりましたか。
「当店の場合、極端に減ったのは比較的最近です。これまでそうならなかった理由は、他店と比べて品質の良い、無名だけれど高額なバターを置いていたからです。そういう製品の場合、生産企業が契約している酪農家も高品質の生乳を生産しているので、取引先も限られていました。そのため、生乳の生産量の増減があまりなかったんですね。」

――品薄になった原因は何でしょうか。
大手企業が生乳を買い占めているそうです。昔は小規模企業の方が無名でも質の良いものを作る傾向にありましたが、最近は大手も高級路線に乗ってきています。そうなると、これまで小規模企業を相手に販売していた酪農家の高品質な生乳を大手企業も必要とします。大手企業は自社製品の生産数を何としても落とさないようにと、そういう酪農家の生乳を、小規模企業より高額で買い占めているようです。」

――他にも理由はありますか。
小規模企業が生産したバターも大手企業に加工用として買い占められて、一般用に出回りにくくなっています。金と力にモノを言わせているんでしょう。生乳やバターを使った大手企業の製品の価格上昇は、こういう買い取り価格の上昇と連動しているはずです。」

――そんな情報は、あまり流れてきませんね。
「マスコミが状況をどのくらい把握しているのかは知りません。酪農家や小規模生産者も大手企業からの圧力を恐れていますから、自分たちに不利になるようなことはあまり語りたくないでしょう。それに、大手企業はマスコミの強力なスポンサーですから、知っていたとしても報じないのではないかと思います。

確かにバターは品薄なのだろう。だが、現在報道されていることが全てではないのも、また事実のようである。



高橋



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