●更新日 05/05●


水鳥殴打虐殺は中学生の犯行、事件発生の原因とは


水戸市で水鳥が殴打されて死亡するという残虐な事件が発生し、世間を騒がせている。

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2008年5月3日のNHKニュースによると、事件が起きたのは水戸市の千波湖。4月28日、白鳥と黒鳥7羽が殴打されて死んでいるのが発見された。捜査の結果、市内の中学校に通う15歳と13歳の男子生徒によるものと判明。二人は「楽しいから鳥を殴った」と述べ、4月17日に7羽が死んでいた件についても同様の手段で死亡させたと認めたという。

通常、野鳥というと警戒心も強く、殴打による殺害など容易ではないように思える。そうした疑問点について、日本野鳥の会に所属する人物に聞いてみた。

――犯人は、なぜこのようなことが可能だったのでしょうか。
「あの湖にいる白鳥と黒鳥は野生ではなく、飼われているものです。餌付けされているので、人間への警戒心があまりないようです。鳥たちが水に入って泳ぎ始めるのは朝ですから、それ以前の眠っている時に襲撃したのでしょう。」

――餌付けについて、どう考えますか。
「私たちの間でも意見が分かれています。餌付けのプラス面は、冬の食糧が乏しい時期に野鳥たちを助けるということです。特に渡り鳥は、冬の間に体力を蓄えておく必要があります。しかし、餌をとることが難しい環境が多くなっています。」

――では、マイナス面とは?
「鳥たちが警戒心を持たなくなることは危険です。それに、都内の餌付けされたカモなど、餌の食べ過ぎで太ってしまい敵から逃げられなくなってしまうという問題も出てきています。それから、餌付けの結果として生態系が変化してきました。本来は海辺に飛来するカモが山や川に入ってきて、元々そこを利用していた種が追い出されたり、ユリカモメによるフン害が発生したりもしています。」

「可愛いから」、「観光に利用できるから」といった安易な理由でなされる餌付けは問題だろう。その最大の被害者は、言うまでもなく野鳥たちである。



高橋



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