●更新日 04/18●


新聞記者に聞く「盗作・二重投稿」発見術


新聞や雑誌の読者投稿欄で今も昔も問題になるのは、盗作や二重投稿だ。掲載側はそれらをどのように発見しているのか、新聞記者に話を聞いてみた。

昔から使われている最も定番の方法は、他紙をバックナンバーも含めて入念に確認するというものだという。非常に根気の要る作業だが、これだけは今後も欠かせないとのこと。

一方、ネットの普及後は、ある程度の状況変化もあるようだ。担当者は、投稿者の名前や投稿文のキーワードで検索してみるという。すると、この方法で盗作や二重投稿が発覚してしまうこともあるとか。

特に投稿内容が左翼的あるいは右翼的傾向の場合、2ちゃんねるや各種サイトに読者投稿が転載されていることが多い。それらが検索に引っかかり、担当者が知る必要もないはずの、その人物の素性まで明らかになってしまうことさえあるそうだ。

とはいえ、ベテランの担当者ともなると、盗作らしきものは文面を読んだ時点でピンとくるものがあるという。文章のつながりが不自然だったり、同一人物によるものとは思えないレベルの表現が一部に出てきたりする場合だ。

今回、問題のありそうな投稿の発見を実演してもらった。既に新聞に掲載済みのもので新発見を期待して依頼したところ、面白い結果が出た。

ある新聞の投書欄に、最近掲載された投稿だ。投稿者が母や祖母と共に過ごす時間を楽しんでいる様子が記されている。

写真

ネットで検索すると、同一人物による他紙への投稿が出てきた。

写真

名前と肩書きが一致し、趣旨も似ている。だが、他紙への投稿では母との交流に力点が置かれているのに対し、先述の投稿では祖母の話が中心。二重投稿の謗りは何とか免れたというところだろうか。

ちなみに、この「他紙」は某大手キリスト教系新興宗教の発行物だったりする。

盗作や二重投稿は極めて悪質な行為。このネット全盛時代、そうした行為に及ぶ投稿者のリスクは思いのほか大きいようだ。



高橋



◇上記のタグを自分のサイトに張ってリンクしよう!


探偵ファイルのトップへ戻る

前の記事
今月のインデックス
次の記事