●更新日 03/15●
事件編
ある暑い夏の夜のこと。
交番で職務についていたお巡りさんのもとに、女子高生が息を切らせて駆け込んできました。
女子高生はものすごい早口でまくしたてます。
「おまわりさんっ。大変です。大変ですっ!!」
「どうしました?」
「へんたいですっ。」
「だから、どうしました?」
「だから、変態ですっ! 大変ですっ!」
「? タイヘンです?」
「ヘ・ン・タ・イですっ! 大変な変態です!」
あっちの交差点で変態がっ……お……おっ……
オ○ニーしてますっ!!」
確かに、それはたいへんです。
お巡りさんが教えられた場所にバイクで急行すると、交差点の外灯の下に一台の車が停まっていました。
車中を覗き込んだお巡りさんは、思わず声をあげました。
「ああっ。またおまえか?!」
運転席にいたのは
下半身すっ裸の男。
男は下半身裸のまま「ふーっ」と煙草をくゆらせていました。
まるで一仕事終えたかのような風情。
お巡りさんが男の下半身を指差して怒ります。
「なんだそれはっ!?」
「これは私のおいなりさんだ。」
「うるさいっ! そんなことは聞いてないっ! 何故、下半身裸なのだ貴様っ!?」
「今日は暑いから涼んでいたんですよ。」
「嘘をつけっ。」
お巡りさんが車の助手席に目をやると、そこには、
使用済みのティッシュがいくつも転がっています。
「やってたな? やってたんだろう!?」
「やってたって、なにを?」
「お……おっ…………
えええいっ! やってたんだろうっ?!」
実はお巡りさん。この男のことはよく知っています。
男はT氏と言って、この界隈では有名な公然わいせつの常習者でした。
このT氏、人に見られて興奮するタイプの変態で、今まで何度も事件をおこしています。
裸にコートで道行く女性に性器をみせつけたり、
路上でオ○ニーをはじめたり……
そのたびに逮捕され、確か執行猶予もついていたはず。通算すれば、今回で6回目です。
なんという懲りない男なのでしょう
「通りかかった女子高生が見ているんだ。きさま、何回やれば気が済むんだ。
反省してないのか?!」
「いやだなあ。今までのことは反省してますよ、お巡りさん。
だから、こうして車の中でくつろいでいるんじゃないですか。
今回は路上で裸になっているわけじゃありませんよ。」
「外から見えれば同じことだっ。」
「こんな夜の車内など、よほど近づかないと見えるものですか。」
「だまれっ。とりあえず車から降りろっ!
まてっ!! そのまま降りるなっ、下のものを履いてからだ!」
「わかりましたよ。やれやれ、うるさいな。」
T氏は下着を履いて車から降りました。
「きっさまーーーーっ!!」
お巡りさんは再び激昂します。
「なんですか? ちゃんと下の物は履いているでしょう?」
「わいせつ物を隠せと言ってるんだ!
女物だろうが、それは?!」
「それがいけないとでも言うのですか!」
T氏は胸を張って主張します。
「パンティを履こうが、ふんどしを締めようが、それは個人の自由のはずっ!
おいなりさんは隠しているのだ。
わいせつな物など、なにひとつないっ!」
パンティを履いたT氏は、腰に手を当てて大いばりです。
お巡りさんは頭が痛くなってきました……
さて、裁判員の皆様。
被告:T氏にどんな判決を言い渡しますか?
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実際に言い渡された判決はこちら⇒「判決編」
特捜班
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