●更新日 12/21●


日本人はミシュランに舐められている?


先月22日発売され、様々な議論を呼んでいるミシュラン東京版。

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だが一方で、ベストセラー入りするほど同書が売れ、掲載されたレストランの来客が大幅に増えているのも事実だ。

同書の発売に伴って話題になったことの一つは、「料理の鉄人」たちの店が、ことごとく落選したことだった。「本当の名料理人は、タレントのように頻繁にテレビに出てきたりはしない」といった批判的な見解も、あちこちで出ている。以上の点について、某誌にてグルメ記事の取材と執筆を行っている記者に話を聞いてみた。

――ミシュラン東京版の評価については、どんな感じですか。
「言い方はよくないかもしれないけれど、あれは所詮、日本向けに作られたものですから。どうすれば日本人にウケるかという前提があって、そういう方針で編集されているわけです。店の許可を取って大々的に写真まで掲載していることからも、それは明らかですね。そういうふうに割り切って読めば、それほど違和感はありません。普通のグルメガイドと同じです。」
――鉄人が次々に落選、という件についてはどうですか。
「テレビや雑誌で有名な人々の店だからといって、味も一流とは限りません。プロが試食すれば、どんな化学調味料を使っているかということもバレバレです。一度有名になった店が廃れると質が落ちるという話もよくありますが、確かにそういう傾向もあることは否定できません。」
――その具体例を聞かせてください。
「中華の鉄人の店について、今回は話します。本店には常連や得意客が多いので、あまり露骨なことはやりにくいでしょう。むしろ、手抜きやサービスの低下がなされているかどうかを見るには、支店を訪れるとよく分かります。「料理の鉄人」が放映されていた頃は常に満席で、待合室にも座りきれず、宴会の予約も一杯だったのに、近年は待合室のスペースも半分以下になり、宴会の数も少なくなりました。そうなると、コスト削減のために、一品あたりの量を減らしたり、食材の質そのものを落としたりします。それだけでなく、客に対して失礼なサービスの低下もあるようです。最近、某支店を訪れた記者の話では、プレイナフキンまで廃止になっていたようで驚いたそうです。」


日本人は店からもナメられているということだろう。グルメブームに踊らされて「食通」を気取るよりも、まずは自分の味覚を磨いて、店もガイドブックも賢明に使いたいものだ。



高橋



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