●更新日 11/10●


「リタリン」狂想曲


今年になってから、やたら乱用やら何やらが騒がれる薬、リタリン。
とうとう、先月末に医師免許を持っていない事務員にリタリンを処方させたとして、江戸川区のクリニックが摘発されました。このクリニックはもともと、リタリンを処方されやすいという書き込みが2chなどに有ったようですが。
そもそもリタリンとは、極度の鬱病患者に処方される向精神薬の一つなのですが、効能が非常に覚醒剤と似ていることから、合法覚醒剤として乱用されるという事情があります。
ただ、そんなに簡単に処方されるものなのでしょうか?
その辺りを実際に多くの向精神薬を処方されている方に伺ってみると

「僕は今、実際これだけの薬が処方されていますし、リタリンも処方されていたこともあります」

―そんな簡単に手に入るようなものなのですか?

「今は何かと話題になっていて厳しいから、難しいと思います。ただ、引っ越したから病院を変えたのだけど、以前の病院では処方されていて、リタリンが一番体質に合うとでも言えば、直ぐに処方する病院も多かったです。その一方で、病院の院長がリタリンは処方しないっていうポリシー持ってる人だったら、どんなこと有っても処方されない。ただ、薬って本当に体質に合う合わないがあるから、リタリンが一番合うって人もいるんですよ。だから、どの病院が処方されやすいかってのは2chなんかで情報交換するんですが、まぁ・・・それが元で摘発されたようなものですよね、新宿の奴なんかは(※)」
※歌舞伎町にあるクリニックが、リタリンを不必要に処方したとして摘発
「こんなにメディアが取り上げたりする前までは、“一回寝たら、いつも起きれない”と言っただけで処方されたりもしたんですが・・・」

このように、リタリンの入手方法は病院次第という所が非常に多かったのが10月末までの話。
実際、新宿のクリニックなんかは一ヶ月分とかを出していたようですし、インターネットで不正販売される温床になったりしていました。



メディアで騒がれているのに、処方は病院次第というのは何ともし難く・・・というのが有ったのでしょう。11月1日、政府から全国の病院に「リタリンを処方するな」という通達が出ました。
ただ、前述の通り、リタリンは覚醒剤ではなく、れっきとした薬。本当に必要としている人がいます。
その辺りがどうなっているのかを、クリニックの医者にインタビューしてみると・・・。

重度の鬱病患者さんには、リタリンが必需品。
切れると、暴れたり・自殺したりと困る事になる。
普通は、薬を止めるのに3ヶ月かかる為、薬の使用を政府が止めるのは、3ヶ月以上経ってからだが、今回は1週間少しで製薬会社に「精神病患者への使用禁止」が出て、病院関係全体に衝撃が走った。
薬が切れた患者が薬を求めて、高額で裏ルートから購入する可能性を高くする。
11月〜1月末までは、自殺する患者が急増する可能性が高い。
再度使用許可が出るのは、早くて1月末。
国は、重度患者の事を全く考えていない。


こんな返答が。



実際、リタリンの代わりに処方されるのは「ソラナックス」という、リタリンを弱くしたような薬。
共に効能は「不安の解消&興奮作用」ですが、効き目は段違いだとか。
薬とは、後ろから読むと「リスク」なんてことは良く聞く話ですが、薬に良いも悪いもなく、全ては使う側の問題。
悪用する人間が悪いのはもちろんなのですが、乱用されるから・・・という理由で直ぐに取り締まっては、今まで必要としていた人間が余りに気の毒です。
インタビューに答えてくれた医師が言うように、使用許可の再開が来年となると・・・それまでの間に別の問題が起きることが懸念されますが、どうしようもないわけで。
3ヶ月の間、これからの流れに注目がされています。



山木



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