●更新日 10/27●


猫虐待犯の嘘を見抜け!精神科医が心理分析


猫を虐待し殺害したとし、東京都豊島区南長崎在住の元テレビカメラマン、長島隆容疑者が逮捕された。

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自宅アパートの浴槽で猫を壁や床に叩きつけて殺し、その死骸を隣接する民家の裏庭に捨てたという長島容疑者。過去にも同様の行為に及んだことを認めているとのことで、余罪の追及がなされている。

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今回、この男が逮捕された際供述した、殺害に至った経緯なのだが、

「2月に傷害事件の被害者になった。犯人の男からスコップで左側頭部を殴られるなどし、そのときの恐怖心がトラウマとなり、それが原因で猫を虐待してしまった」
「(カメラマンとして)番組で取材した犬の飼い主から暴行を受けたことがあり、思い出してやってしまった」

と、あくまで過去の事件によるトラウマが原因で、自らもまたそれに動かされた被害者であるかのような言いようである。

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「トラウマ」

この言葉を免罪符にしようとする人間は多い。
しかし、それは果たして本当に免罪符足りえるのか。
今回、精神科医に協力頂いて、彼の供述内容について分析することにした。


都内の大学病院に勤務する精神科医は「現時点で得られている断片的な情報から判断する限りでの話ですが」と断った上で指摘する、「二つの犯行動機が挙げられているとのことですが、いずれも信用できません。せいぜい、容疑者の『後知恵』のようなものではないかと思います」。

同氏は言う、「そもそもトラウマというのは、それ自体としては本人が認識できないもの、言語化の範疇を逃れるものなのです。『トラウマ語り』というのがよくなされていますが、ああいうのは専門家から見れば全く信憑性のないものです。意識化され言語によって容易に表出可能なものは、トラウマではありません。トラウマ語りというのは、心理学を装ったいかがわしい言説が普及した結果として、一種のブームとして出てきたものです。自己の心の弱さや他人の知らない内面を告白したり聴いたりすることで、癒されたり感動したりすることを互いに期待するという、いわば自己満足的行為です。それによって精神面の安定が確保されるとしても、一時的なものに過ぎません」。

同氏は続ける、「そういう表現方法で自身の過去の経験を語る患者さんが、昔と比べて極端に増えているという報告をよく聞きます。トラウマ語りが氾濫すると、今度はそれが悪用されるようになります。今回の件もそうですが、自身のトラウマを告白することで、それを免罪符にしようとするのです。精神的に不安定な人間であることを装う戦略としても、利用されている可能性があるでしょう。
先程も述べましたように、

自分で分析して原因を特定して語れるのなら、
それはトラウマではありません


そこで挙げられているものをトラウマの原因とすることも不当です。
大体、スコップで殴られたことの恐怖心を持ったというのが仮に事実だとしても、それが猫を虐待する原因になったという説明自体がおかしいでしょう。本人が本当にそう思い込んでいる可能性は否定できませんが。暴行を受けた記憶が蘇ったというもう一つの動機説明も、同様の理由で信用できませんね」。

結局のところ、猫虐待は自分より力の弱い存在に八つ当たりすることしかできない、容疑者の卑屈な精神ゆえのものであり、たとえどんなに辛い経験をしていたとしても、それが猫の虐殺を正当化する理由になるはずもない。

そこに同情の余地はなく、長島容疑者に与えられるのは「自らの欲求により猫を殺した」という事実だけである。



高橋+大住



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