●更新日 08/28●


埼玉県「女尊男卑」が常識なのか


埼玉県といえば、かつて「ダサイタマ」などと呼ばれ、ダサいイメージが付きまとってきた県である。その埼玉県に、今度は「女尊男卑」行政であるとの疑いが出てきた。

きっかけは、26日に行われた埼玉県知事選。同県の市民団体「県の男女共同参画政策を考える会」が、知事選の啓発広告は県の男女共同参画推進プランに反するという抗議書を県選管に提出したと、2007年8月25日の産経新聞は報じた。問題となったポスターには、タレントのゴルゴ松本の頭部が大きくレイアウトされていた。同団体の見解によると、この広告で男性であるゴルゴの頭部のみを使用したことは、県が作成した「男女共同参画の視点から考える表現ガイド」に反するという。

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では、問題の「男女共同参画の視点から考える表現ガイド」とはどのようなものなのだろうか。埼玉県総務部男女共同参画課HPによると、これは同課が平成16年8月に発行したものだという。「いろいろな人を、男女いずれかに偏って表していませんか?バランスがとれているか、考えてみましょう。」と書かれており、その具体的な事例がイラスト付きで数多く紹介されている。

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それらを見てみると、あることに気づく。それは、「男女平等」を謳いながら、「男尊女卑」の表現の改善例として描かれているイラストでは、そのほぼ全てにおいて、女性が優位な立場として描かれているということだ。例えば、管理職は女性のみ、迷子になって泣いているのは男子だけ、病院では女性が医師で男性が助手。このような表現こそ、偏見を助長する可能性が高いのではないか。そこで男女共同参画課に問い合わせてみたところ、最後に職員の本音がポロリとこぼれ出た。

――ガイドに具体例として挙げられているイラストは、実際には「女尊男卑」ばかりですよね。
(職員)それについては、いろいろな考え方や見方があると思いますので・・・。
――でも、なぜ「女尊男卑」と受け取られる余地のある表現のものばかりを選んだのですか。
(職員) 管理職等に女性が少ないという現実を考えて、あえて女性を中心に持ってきています。
――そういう表現ばかり選ぶことこそ、偏見を助長させているのではないですか。
(職員)あくまでも指針ですので、ガイドが判断基準として拘束力を持つというわけではありません。
――ですが、男尊不平等な表現は人々の意識に悪影響を与えるというHPの指摘に矛盾しませんか。
(職員)実状を変えていく、あるべき将来像を示したイラストとご理解ください。

興味深い例をもう一つ挙げよう。上記ガイドが作られた翌年の、埼玉県で行われた「明るい選挙啓発ポスターコンクール」に、さいたま市から選出された作品の一覧だ。小学校の部と中学校の部に分かれていて、それぞれの優秀賞を受賞した作品の画像が掲載されている。その中で男子の受賞者が1名だけなのは、男子の応募が少なかったことや、女子の作品の方が優れていたことなど、様々な理由が推測できるだろう。だが、優秀賞計10作品の中で、男性の絵が含まれるポスターは、全受賞者の中で1名のみというのは驚きだ。しかも、それを描いているのは上記の男子だった。

中学校の部に至っては、そのような傾向がより強くなる。女性一人だけが大きく描かれているポスター、15人の登場人物の全員が女性のポスター、6人の登場人物の全員が女性のポスターなど、ガイドの「男女平等」の理念に反するはずのものばかり。むしろ、ガイド制定直後ということもあり、ガイドに描かれているイラストに近い、女性中心の視点のものが積極的に採用されたのではないか。

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男女平等を本気で目指すというのなら、こういう胡散臭いフェミニズムを潰すことが先決だろう。



高橋



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