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●更新日 04/16● 写真
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あるプッシャーの実態と、捕まるまでと


「プッシャー」

この言葉を聞いたことはあるでしょうか?このプッシャーとは、違法薬物を販売する人のことを指す言葉です。

最近、クラブや路上、インターネット上でも若者を中心に違法薬物が売買されていますが、もちろん犯罪。

プッシャー プッシャーの映像

今回、薬物売買をしたことで捕まり、現在は足を洗ったAさんに話を聞くことができました。


―現在執行猶予中ということですが、当時のお話を聞かせて頂けますか?

僕が販売していたのは主にMDMAですね。他にも大麻やLSDなども扱っていましたけど。

プッシャー MDMAに関しては、こちらを参照してください

話はMDMAになりますが、一般に売る時は4000円ほどで売るんですよ。でも、僕の場合は2000円前後で入手出来るルートがあったんで、一つ売るごとに2000円の利益が生まれるわけです。僕も捕まりたくはなかったんで、そんなに派手にはやっていませんでした。月に行っても4〜50万ってところですかね。

中には派手に数百万稼いでいる人もいましたけどね。 あっ、そいつはもちろん捕まりました。


―Aさんはどうして捕まったんですか?

いやぁ、これは運が悪かったとしかいいようがないですね。友達が家に遊びに来ていたんですよ。その当時、僕の家には販売用の薬が結構な量ありまして、その友達が目を盗んで薬を持ち帰ってしまったんです。

見た目からしても職質受けるようなタイプじゃなかったんですが、ホントに運が悪かったです。僕の家から帰る時に職質にかかってしまったんですよね。

その友達は気弱い方ではなかったのですが、警察のキツイ取調べで僕からの入手方法を吐いてしまったんです。

それから暫くして、警察が僕の家にガサ入れにきたんですよ。薬を販売する時は架空名義の携帯を使いますし、クラブなんかだと、その場限りなので足が付くことなんて滅多にありません。クラブは最近は私服警官なんてのもいますけど、大体はリピーターなんで。今回はその友達が身内だって安心してしまったのが命取りでしたね。

ガサ来た時、僕の家にはMDMAが何十錠もありました。隠し場所なんかも通用せず、もう、逃げ道はなかったですね。即連行ですよ。僕自身はMDMAなど数ヶ月遠ざかってたので、尿検査などはセーフでした。ただ、薬の量が量だったので、営利目的だと思われたようです。それで、警察側もその薬がどのような成分が入っているか調査したわけです。通常MDMAは合成麻薬ですので、通所ヘロインやらコカインやら、他にも混ぜ物が入っています。

しかしびっくりしたのが、警察の調査結果、覚醒剤100%のMDMAがあったと言うんですよ。覚醒剤はMDMAなんかより高いですし、あの大きさがすべて覚せい剤だったら、とてもとても4000円なんかじゃ売れません。もちろんゴネました。僕が仕入れている中で実際有るわけのないものなんですから。

正直警察を疑いましたね。僕を陥れようとしているのではないかと。プッシャーにとって、この商売やる上で、警察って一番の敵になるわけじゃないですか。

※麻薬に関する法律で、覚醒剤に関しては覚醒剤のみの法律がある。

でも中にはいい警察官ってのがいるんですよね。この覚醒剤の件と営利目的の件は流してくれたんです。つまり、不法所持だけで立件されました。まぁ、もともと僕も警察から聞いた話なので、純正覚醒剤のMDMAなんていまだに信じていませんが。

ただ、その後の取調べが大変でしたね。僕にMDMAを流してくれている方もいるんで下手なこと話せないです。先方に迷惑かかりますし、芋づる式に捕まる可能性もありますからね。MDMAを所持していたことは事実なので、そこは認めましたけど、それ以上は何も話しませんでした。

ここから先は裁判待ちと言うことで、約3ヶ月の拘置所生活になったわけですが、正直気がおかしくなりそうでした。

このノートを見てもらえばわかると思いますが…

プッシャー ビッシリ、支離滅裂な文章が書かれている。

何も出来ない時間の中で、与えられたのはノートと鉛筆。改めて読み返すと支離滅裂なことが書いてありますね(笑)

しばらくして中国人の男性が入ってきました。言葉は通じませんが、同じく漢字でコミュニケーションを取ることが出来るようになったのが嬉しかったです。それで、精神も安定してきたのかノートの最後の方は自分の過ちに対する反省や、彼女に会いたい友達に会いたいなど、思ったままのことを書いてました。そんな生活を続けて行く中で、急に欝に入ったり…相当やつれましたね。

そして拘置所での生活も終わり、裁判になりました。裁判開始までは在宅することが出来たので一番ほっとした瞬間でもありました。

裁判は、初犯ということもあって何とか執行猶予。もうこりごりですね。目先の金、裏業界に対する好奇心などがこのような結果を招いてしまったことに凄く後悔しています。

捕まるリスクを背負ってまで、高々数十万円のお金を手にしたところで、家族や友人を悲しませたくはありません。


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追記

現在も数年執行猶予が残っているAさんですが、薬とは縁を切り、社会人として働いています。始めの頃は禁断症状もあったようですが、きちんと病院に通い治療を受けているとか。しかし、警察に捕まってからもう2年は経つそうですが、所々言動にはまだおかしな所があるとは、彼女談。薬を断ち切ったと言っていますが、その後遺症はいまだに残っているのでしょう。

今でも薬物に手を出す若者は多くいます。その中で「死者」まで出ていることもまた事実。Aさんの場合、最悪の状態には陥らなかったものの、体にはまだその痕が残っているようです。一時的な多幸感を味わうために薬を使う若者達(何も若者だけに限ったことではないけど)薬物は、自分自身の体・脳を蝕んで行き、家族、友人にも迷惑をかけてしまいます。薬物に頼らなくても、もっと充実した生活を送る術はあると思います。そのような未来を編集部一同心から願うばかりです。


「薬物は絶対だめ!!!!!」



山木


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