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●更新日 03/10● 写真
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君が代神経症って、何??


このところ、学校教諭による君が代問題が再び白熱しています。それとの関連で、「君が代神経症」などという奇妙な言葉も時々耳にするのですが、そんな病気は本当にあるのでしょうか ?

小学校の入学式での君が代の伴奏を拒否して懲戒処分になった教諭が、「思想・良心の自由」を理由に処分取り消しを求めるという訴訟を起こしました。これに対して最高裁は、伴奏を命じたことは合憲であるとして、原告である教諭の上告を棄却。この件で再び話題になっているのが、「君が代神経症」という言葉です。この言葉が知られるようになった 切っ掛けは、2006年3月23日の東京新聞の記事 。この言葉は、関西学院大学教授の野田正彰氏によって提唱されました。

記事中の事例は本当だとしても、「君が代神経症」という新たな病名を作ることは適切なのでしょうか。

大学病院心療内科勤務の医師にインタビュー した所、所属病院と名前を出さないことを条件に答えて頂けましたので、要点をまとめ、以下に掲載します。

まずは、東京新聞の記事に出ている事例を引用してみましょう。クリスチャンであるという理由で君が代を歌えないという男性教員は、「不起立したことで減給、異動といった不利益や、「再発防止研修」を受ける立場になった。一番の心配は自分で自分の命を絶つのではないかとの思いで、「首をつっているイメージが浮かんでくる」という」。美術担当の女性教員は、「のどから胃にかけて太い杭を打ち込まれるような痛みが断続的に襲ってくる状態」で、「音楽準備室に入り込んでくる虫(カメムシ)が「都教委に見え、見張りに来たと感じる」ような思いに襲われる」。

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これらの説明の後に、野田氏の解説が付きます。「野田氏は「わずか七人に会っただけだが、いずれの人も極度のストレス障害の状態にあった」と病気休職に至るケースが氷山の一角だと明らかにする。「どうしようもない吐き気」といった身体の症状、感情の不安定、抑うつ、「自分は無用な人間だという感覚」といった自己像の変化が共通の症状という」。

神経症の場合、身体症状が発生したり、自分に対する否定的な感情に苦しめられたりすることはあるという点では、君が代神経症とされるものと一致しているようです。ですが、虫が見張りに来た都教委に見えるというのは一種の幻覚であり、これは神経症ではなく精神病。

恐怖症と診断されるものの中には、特定の生物が恐怖の対象として現れるようなケースもあるのですが、これらは主に幼少期に見られるものであって、成人には該当しないそうです。また、幻覚は境界例に確認されることもあるとはいえ、虫の幻覚が現れるという教諭を他の事例と同列に「君が代神経症」という一つのカテゴリーに含めることは精神科医としての知見を疑う、とのことです。観察した症例が僅か7例というのも、症状名を新たに設定するには性急過ぎるとのこと。

最後に指摘があったのは、「こうして新しい症状名がマスコミで大々的に報道され、野田氏が各地で教諭たちに講演することで、むしろ「自分は君が代神経症だ」と思い込む人が増えるのではないか」ということでした。現代社会では一般市民が医学情報に容易に接することが可能になった反面、自己診断によって「自分を患者にしてしまう」人が後を絶たないそうです。そうだとしたら、君が代神経症という命名とその普及活動は、悩める教諭たちの味方となるどころか、場合によっては一連の活動自体が、野田氏の意図に反して問題を深刻化させているのかもしれません。

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君が代神経症は、今では君が代反対運動の理論的根拠にまでなっています。

学校教諭には、良くも悪くも、何事も妄信しやすい人たちが多いということなのでしょうか 。個人的には、昔から続いている国歌斉唱・国旗掲揚が嫌なら、それをするのが伝統的になっている職業に就かなければいいじゃない、と思うだけのことなのですが・・・

例えば「よろこんで」と言うのがキャッチフレーズの「庄や」という全国チェーン居酒屋があります。

接客業が好きでも、「よろこんで」と口にするのが嫌だって人は、この店を辞めるでしょう? トイレで見つけた蝿を、「本部から見張りに来た幹部に思える」とか言ったり、「よろこんでを強要されたら自殺するかもしれない」とか言い出したりしないでしょう?

上の映像記事、「よろこんで神経症に侵される、庄や店員の内面を分析!」て書いてあったら、誰がまともに取り合いますか。

嫌だと思うことにストレス感じるって事は誰にでもあるでしょうけども、こと君が代・国旗・国家になると途端にヒステリックな意見が出て来るというのは、戦後から続くことなのでしょうけれど。



山木


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