●更新日 12/19●

里親詐欺から子猫を取り戻せ! 3


現地にて事前に下調べをしてくれていた協力者の情報により、Sの生活パターンは朝方帰宅し、13〜16時までの間に車で出掛けるということが多いようでした。

また、相当金に困っているらしく、Sの家に借金の取り立て屋が来てドンドン扉を叩いているのも協力者が見たとか。

そんな生活状況にあるのでは、普通にインターホン鳴らしてもまず出て来ないでしょう。電話番号も解っていましたが、登録されていない番号には絶対出ないらしい。

その為、部屋に帰ってくるのを待つか、家から出て行くのを抑えるか・・・どちらかになります。部屋に帰ってくるのを待っていても、直ぐに部屋に入ってしまっては立ち入る権利を我々は持っていないので逃がしてしまう。

その為、車で出て行く場所を抑えることに決定!


1日目・・・帰ってこない。夜まで待っても戻ってこない為、一時終了。

2日目・・・朝7時の時点では駐車場に車が存在。



その為、張り込みしていた所、夕方過ぎに“まったく最初の事前情報とは違う女性”が車に乗り込む。


事前情報 → 40代ではあるが、20代と変らない服装。化粧の関係から、明らかに水商売風と思われる。6年前の看護婦の写真

実際   → 化粧はしておらず、帽子を被ってジーンズに上着。土気色の顔



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本当にこの人なのだろうか?と少々まご付いている内に、車が発進。

この近くで面取りした人が入れ違いで戻ってくる。


協力者 「間違いないです!Sです!」

山木 「強引になってしまいますが、追いましょう!」


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山木 「Sが車停めたら、発進出来ないように前に付けて!街中でも何でも交渉入ります!」


追い掛ける事10分ほど・・・コインパークにSが車を停めたので、交渉に入ります。


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山木 「Sさんですね? ○○さんからの依頼で、貴女が譲り受けた猫の件で来ました。これが委任状。これが弁護士からの通告書。まずは通告書を読んでください」


S 「はぁ?? 何なの、あんた!? ・・○○?猫??何、それ?」(最初声を掛けた時は、全く解っていないようだった)


山木「60代のお婆さんから貰った猫と言えば解りますか?通告書を読んでください。貴女の行動は○○さんを不安がらせ、里親詐欺と認定してもおかしくない行動なので、譲渡を取り消すという通告です。猫を私に渡して頂けますか?」

S 「何なの!それを言う為にわざわざ尾けてきたってわけ!?ふざけんな!」

山木「部屋のインターホン鳴らしても出て来ない、電話しても出ない。なら外出たときに声掛けるしかないと思いました」

S 「うちは、アポなしピンポンは出んの!登録してない電話なんぞ出るか!」

山木「じゃぁ、元からの知り合い意外は話も出来ないじゃないですか。お婆さんの電話にも出ないわ、挙句ガチャ切りなんですし」

S 「ふざけんな!今は忙しいから出直してこい!」

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山木「いいから、まずは紙を読んでください。法的に正式な手段を踏んでるんですから。○○さんは猫の譲渡を取り消すとあるのだから、返還する必要があるんです。まずは現状、○○さんの猫はどうなってるかを言ってください」

S 「○○さんの猫って・・・あれはただの野良猫よ?」

山木「○○さんの猫です」

S 「・・・。いいわ、猫は逃げました。ハイ、終わり!」

山木「逃げた?いつ?? そして、逃げたなら何でそれを○○さんに言わないんですか?電話も掛かってきてるのに」

S 「悪いと思ってたから言わなかったんだよ!猫は次の日に窓から逃げた! あんな可愛くない!!」

山木「涙を流してありがとう、ありがとうと言っていたと聞きましたが、大分違うじゃないですか。次の日逃げたって、6日後に猫は元気していますってメール出してますよね?」

S 「だから逃がしたのを言ったら悪いと思ったんだよ!第一、私が貰ったんだから私の猫でしょ!どうしようと勝手でしょ!」

山木「譲渡契約書を正式に交わしていないんだから、まだお婆さんの猫です。所有権はまだ○○さん。それに猫を渡した翌日から連絡が取れなくなるのは常識的にもおかしいですよね?それに伴なって、猫の譲渡を取り消すって言ってるんです」

S 「じゃぁ、何か!猫が死ぬまでずっといちいち連絡を取り続けろってことか!!」

山木「そういうことではなく、猫を渡した翌日から・・」

S 「第一、あれは野良猫よ!? 野良猫に所有権とか馬鹿じゃないの!?」

山木「拾った猫でも、餌付けだけでなく飼うとその人がみなしていればその人の飼い猫と見なされるのが一般的ですから・・・」

※野良猫でも、所有の意思を持って飼い主としての行動をしていると、その人の猫として所有権が発生する。これを無主物先占といいます。

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S 「もういい!あんた、キチガイや!話にならん!」

山木「よくないです。ちゃんとした手順を整えて猫を返還してくれって○○さんが言っているのだから、それに対してきちんと応対する義務があります」

S 「たかが猫に、何そんなムキになって・・・本当猫キチガイがっ!猫はいなくなった!勝手に探せばいいじゃん!」

山木「そんな言い方もないと思いますけどね。猫、嫌いですか?」

S 「好きよ!うちでも一匹飼ってるし!ただ、あんた達みたいにキチガイじゃないの!」

山木「世間的にどちらがおかしいかはもう置いておきましょう。猫はいなくなったというなら、それをお婆さんに連絡して一度話してみることくらいするのは貰った者として当然じゃないですか?貴女から連絡来なくて心配しているのですし」

S 「電話くらい今するわよ!・・名前は!?」

山木「貰った人の名前も覚えていないんですか?」

S 「いちいちそんなの覚えてられるほど、暇じゃないの!・・・○○さんね!はい、掛けます!」(登録が有ったらしい)


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〜〜お婆さんとの電話のやり取り〜〜

※お婆さんが何て言ってるかは解らないが、近くで聞いてたのでSの言葉だけ・・・


S「猫は連れて帰ったその日のうちに居なくなったんです!悪いと思ったから言わなかったの!それをこんな風に探偵とか付けれられて本当迷惑してる!あんたがそんな人とは思わなかった!」

S「野良猫ですよね!私、それを貰っただけでしょ?その日から私の猫でしょ!?」

S「じゃ、何!?死ぬまでずっと連絡を取れってこと!冗談じゃないわよ!」


結局、「いなくなった」と言っている以上、部屋を探すことも出来ないのでここで終了となってしまいました。

○○さんは告訴を検討しており、それを伝えると・・・


S 「はぁ?? たかが野良猫で裁判!? 金なんて私から取れないよ?」

山木「お金の問題じゃないんですよ」

S 「裁判になっても、私行かないよ? 負けても金なんか払わないよ!?」


結局、こんなやり取りを最後にSは帰ってしまいました。

その後、少し冷静になったのかお婆さんの留守電に「猫を逃がしてすいませんでした」というメッセージが入っていたものの、僕との間で起きた会話


「たかが野良猫」

「私の猫に私が何しようと勝手だろ」



こんなセリフは、本当に猫が好きな人間からは出てこないのでは?

そして、当日に窓から逃げて行ったと話していましたが、この時に一緒にいた別の人物には「何日かしてドアから出て行った」と全然違うことを言っていたことを追記しておきます。

更に言うなら、Sの家は6階。


6階から猫が飛ぶか、普通


Sが里親詐欺だと完全に決め付ける材料はありません。ですが、涙を流して「この猫に会えてよかった。本当嬉しい」と言っていた人物が「たかが野良猫」と言って、元の飼い主を罵倒する。これは紛れも無い事実です。譲渡するまでの間、本当にその人物が信用に足る人物なのか・・・判断を慎重にならざるを得ないと感じる一件でした。お婆さんの猫の生死を確認出来なかったことだけが悔しい。


――――現在、お婆さんは民事での告訴を検討しています



山木


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