BOSSからの指令
3つ目 『渋谷のスクランブル交差点でみすぼらしいツナギを着て、手にはガラスクリーナーと雑巾を持ち、信号待ちする車の窓を片っ端から拭いてください』
たぶん怒鳴られる。そして殴られる。怖くて前日ほとんど眠れませんでした。
地図を拭いてリハーサル。飛び出してシュッシュッしてサササッ・・・完璧。立派に死んできます。
・・・しかし、いざ本番となるとなかなか覚悟が決まらず。時間だけが過ぎていきます。このままやれずに終わるのかと思った次の瞬間。
心臓飛び出る
行ったぁー!
うわー!
逃げたぁー!
だめだー!
すかさず2台目!
怖えぇ!やっぱりできません。怒り狂ったドライバーに殴り殺されるかもしれないという恐怖が私を臆病者に変えてしまった。しかし、このまま帰っても身内に殺される。どのみち私は終わりだ。どうせ死ぬならやれるだけやってから死のう。
もうどうにでもなれ!わー!
シュッシュッシュッ
サササッ
やった!
・・・反応が無い!?なんと普通に受け入れられました!
てっきり座席の下から取り出した棒で頭をカチ割られると思っていたのですが、まさかこんな反応が待っていようとは・・・
次はタクシー!
・・・やはり反応がありません。目が死んでいます。
何度繰り返しても同じ、みなさん当然のことのよう拭き終わるまでじーっとしています。
このお兄さんなんかすごく笑ってくれました。いい笑顔だ。
怒られたのは、嫌がる保健所の車を無理矢理拭いたときだけ。日本最高。
しかしここで大住さんから『ベンツに行け』との指示が。
ゲゲェー
確かにこれをやらなければ終われません。それでは覚悟を決めて。
行ったぁー!
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・
・
逃げたぁー!
結論:ベンツはムリ
多田