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命の行方

徳島で起きた犬救出騒動。件の犬を譲渡してほしいとの申し出が全国各地から寄せられている。


譲渡の申し出が殺到する犬もいれば、譲渡にいたらず致死処分になっている犬もいる。

東京都動物愛護センターに現状を聞いてみた。

東京都では年間約3,000頭の犬が収容されているが、約6割は飼い主に無事引取られる。
新しい飼い主に譲渡した数を含めると約2,500頭の犬が幸せな生活に戻っている。(数字は平成17年度事業概要より)
東京都の返還・譲渡率は全国の中でも群を抜いているとのこと。


譲渡に関しては講習会の参加など条件がある

東京都の返還・譲渡率が高い理由として「都内は人目が多く犬を捨てにくい環境」ということがある。
逆に言えば都内で捨てにくいため、郊外・別荘地に犬を捨てに行く人がいることも事実 としてある。その捨てられた犬が野犬化しているという問題も。
返還・譲渡率が高いからといって手放しで喜べるわけではない。


こういった風景は都内で目にすることはないが・・・

ちなみに都以外では、埼玉県は平成17年度で約4,900頭の犬が収容されているが返還・譲渡数は835頭。
千葉県では、平成17年度で約7,800頭が収容。返還・譲渡数は約840頭。なんと9割近くもの犬が致死処分されている。(数字は千葉市・船橋市を除く)

センターに引取り処分を依頼することは決して褒められたことではない。
しかし

「勝手に捨てて責任を放棄するよりは、センターに持ち込むことで(野良犬や不幸な犬を増やさないという)責任を果たしているともいえる。センターに犬を渡すことが一概に悪いこととは言えない」 (愛護センター担当者)


致死処分される犬は確かに可哀想だが、野犬として生まれる子犬はもっと可哀想なのだ。

また、猫の場合はもっと悲惨な状況である。
猫の繁殖率も関係し収容数は犬の約2.7倍。致死処分される頭数は犬の約11倍にもなる。


むやみに餌を与えることも不幸な猫を増やす一因になっている

徳島の件について聞いてみると
「犬が社会性を身につけるのは生後17週間まで。事件の犬は人に対して社会性を身につけていないため、譲渡は難しいのではないか」 と話してくれた。

件の犬は、譲渡するとしても来年以降になる。
実際に譲渡会に足を運ぶ人は何人いるのだろう?
他にも譲渡を待っている犬・猫はたくさんいる。ニュースにならない犬・猫にも目を向けてほしいものだ。

 

横山

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