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城北高校、履修漏れで嘘の上塗り

11月2日のスパイ日記でお伝えした、城北高校の履修漏れ問題。この高校は事実を認めるどころか、その後も嘘の上塗りをしています。

11月15日の新聞各紙で報道されたように、東京都生活文化局が14日に、城北高校の履修漏れを発表しました。ところが、そこで発表された内容自体が不正確であるだけでなく、履修漏れの一部しか城北高校は認めていません。この件に関しては学内関係者から詳細を取材済みであり、今回は関連する資料も公開します。

城北高校はこれまで、調査があるたびごとに、「履修漏れは無い」と重ねて回答してきました。しかし、これ以上は完全には隠し通せないと判断したのか、今回は「カリキュラムを精査した結果、履修漏れがあることに気づいた」と回答。

もちろん、これは大嘘であり、「精査」を行うまでもなく、履修漏れの実態は生徒たちの間でも以前から話題になっていました。

生徒の誰もが当たり前のように知っていることを、当該の教科を担当する教師が知らなかったということはあり得ないですし、城北高校は実際には教えていない科目を学内外向けの公式な資料に掲載するという行動も。

城北高校では入学してくる生徒のための説明資料としてガイドブックを毎年発行しており、その中に、「高校教育課程のあらまし」という項目にて建前の履修計画が掲載されています。

一方、生徒たちが受験対策のために参照するように作られた、進路指導部による進学情報資料もあります。その中の「教育課程表」(上記写真)という履修計画の一覧でも、実際に教えていない科目が掲載されている。これらの資料を見ているから、生徒の誰もが不正な履修の実態を把握している訳であり、偽りの履修計画を学内外に向けて作成して配布していたことが、履修漏れ問題の発覚を早めたと言えるでしょうね。


城北高校が今回認めた未履修は「地理歴史」のみでした。「世界史」が必修で、それと共に「日本史」か「地理」を履修しなければならないのですが、その点に不備があったというのです。しかし、前回の記事でも挙げた、「公民」の履修漏れについては依然として隠したまま。「公民」では、「現代社会」の履修か、「政治・経済」と「倫理」とのセットでの履修か、いずれかを選択しなければなりません。履修計画には1年生で「現代社会」があるのですが、実際に教えられているのは「政治・経済」であり、「倫理」も教えられていません。「政治・経済」だけでは「公民」の単位を満たすことができず、履修漏れとなります。

前回の記事では書きませんでしたが、履修漏れは実は他にもあります。例えば、履修計画では1年生で「理科総合A」と「理科総合B」がありますが、これらの科目は教えられていません。取材時に同校の生徒に話を聞くと、「理科総合ってどんな科目ですか」と記者が逆に質問されてしまったほど。文部科学省の規定によると、「理科」では必修2科目のうち1科目に「理科基礎」か「理科総合」を含めなければなりませんが、履修計画にもあるように、城北高校では「理科基礎」も教えられていません。したがって、「理科」も履修漏れということになります。

ここまで来ると「履修漏れ」というよりも、悪質な「単位偽装」と言うべきレベルでしょうね。その一方で、国の定める履修計画を厳密に守る高校もあるわけですから、生徒に取ってどちらが不公平なのかはまた別の問題なのでしょうけども。

 

山木

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