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「はねるのトびら」で、ケニア人差別!

8月16日のフジ系「はねるのトびら」はこれまでの名場面集。その放映内容の中には、最初の放映時に一部で問題となった差別的表現が含まれていたことが判明した。

それは、2006年7月12日の放映内容。出演者が外国人に扮して、ベルトコンベアーの上を通過していく食べ物を箸でつかむ、「回転SUSHI」というコーナー。当日は研ナオコが「ケニアから来店したケンコン」として登場した。全身を黒塗りにして、民族衣装のようなものを着用して大暴れした。

それが今回再放送されるのだが、番組HPには「ケンコン」については記載が見当たらない。一方、テレビ雑誌には予告記事としてこのコーナーのことが掲載されている。例えば、「ザ・テレビジョン」では、「ケンコン」の格好をした研の画像が掲載されていて、説明として「「ウッホ、ウッホ」とケニアの原住民になりきり、みんなを圧倒」とある。

出演者が外国人に扮したパフォーマンスは、外国人を馬鹿にしていると受け取られる危険性があるとしても、そのようなものは過去にも類例が多く、それほど目をつけられることもなかっただろう。問題になったのは研の動作や表現であり、特にケニアの原住民がまるで原始人のように「ウッホ、ウッホ」と言うかのように表現したという点だ。

実はこの番組、過去にも差別的な表現が問題になったことがあり、2004年8月には新聞などでも話題になった。当時の毎日新聞の記事によると、特定のジュース以外を飲むとアレルギー症状が出る女子大生を題材としたコントに、視聴者からの苦情が寄せられたという。それに対して、フジテレビ広報部の謝罪コメントも出された。

また、この件については当時、NHKと日本民間放送連盟が放送事業者による自主的な機関として設立した「放送と青少年に関する委員会(青少年委員会)」という団体が、視聴者から寄せられた苦情に基づいてフジテレビに質問し、回答を得ている(回答内容全文はリンク先に掲載)。その中でフジテレビは「常に人権に配慮し、差別やいじめにつながったり、特定の個人や団体・企業を傷つけたりするような表現は避けるよう心がけています。」、「作り手としては、“身体的な差異”を題材にして、それを笑うというつもりはなく」、「今回の意見を踏まえて、これまで以上に“人の心を傷つけることのない笑い”を作るよう留意していきたいと思っております。」などと述べている。

特定の個人や団体・企業には配慮しても、今回のように人種などには配慮しないのだろうか。今回も「身体的な差異」ばかりか動作や発声をも笑いの種にしていることを、どのように説明するのか。番組を見てそれを真似する子供が出てきた場合、明らかに「きっかけはフジテレビ」であり、同局の責任は回避できないということは覚悟しておくべきだろう。

 

タカハシ

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