ペットブームの陰に・・・その3

〜売れ残った犬猫は、どこに行くのか?〜



前々回はペットを買う側、前回はペットを売る側(知識が乏しいケースなど俗に“悪徳ショップ”と言われるケース)を紹介しました。
今回は、売る側の抱える問題点の続編として、「売れ残った犬猫はどこに行くのか」という事をコンセプトにお送りします。

売れ残り・・・命を扱うペットショップとはいえ、『商品』を扱う業種である以上は必ずついて回る問題です。在庫がダブついたとか不人気商品だったとか・・・・・・「他の業種でも起きることは、ペットショップでも起きている」ということを、最初にアタマに入れておいてください。

食品には賞味期限という明確な売れ時期があります。同じく、それはペットショップにて販売されている“商品である犬猫”(生き物を商品という事には抵抗がありますが、敢えて表記します)にも同じ事が言えるのです。

結論から書きますと


犬猫の売れ時期は、生後1〜2ヶ月まで


ということです。
生後3ヶ月になると買い手はだんだん付かなくなり始めます。多くのペットショップが、この時期になると値段を下げ、売れ残ることの回避をはじめますが、それでも買い手がつかない時はつきません。
あまり人気の無い犬種などは半額にまで値段を下げることが有るそうですが、それでも買い手がつかない場合はどうなるのでしょう?

写真1
生後3ヶ月を過ぎた犬 ここまで大きくなると売物としての価値は限りなく低いらしい



生後4ヶ月になってしまうと、もう商品としての価値はゼロと言われているようですが・・・。

おおまかですが、残念にも売れ残ってしまった“命”の行く先は幾つかに分類されていきます



○ 欲しいという人にあげる
店員に福利厚生としてあげる場合、店員の友達などで欲しいという人にあげる場合など。
または、格安(1万)くらいで素人のブリーダーを目指している人に売る場合も。
ブリーダーを目指している人には、子犬よりも成犬の方がすぐに繁殖ができるからと喜ばれる場合もあるとか。

○ 保健所、もしくは動物愛護センターなどの機関にて殺処分
保健所にて殺処分する場合と、保健所から愛護センターなどの機関を経て殺処分する場合。
自治体によっては保健所ではなく、愛護センターが行っている殺処分ですが、「やむを得ない理由により」殺されて行く犬猫の数は、年間およそ30万匹にも昇ります。

○ 動物実験用に引き取られる
製薬会社など、動物実験を行う会社や業態に引き取られて行くケース。いわゆる“治験”は人間に行う前に、必ず動物にて行われるものです。

○ 手術の練習台として引き取られる
獣医、もしくは獣医の学校に通っている生徒の手術練習となって引き取られていくケース。
筋肉の位置、内臓の位置をスケッチしたりする為などに、どこも悪くないのに腹を切られるわけです。医療とは、確かに実技練習をしないと上達しないものですが・・・・・・。
または、動物病院に輸血用として引き取られていくケースも存在します。



上げた例を見て貰えれば解る通り、売れ残ったら、助かる命は少数です。

ただ、最近はペットショップが動物実験や手術の練習に“売れ残り”を渡すことを禁止しているケースもありますので、全てが全て、こうなるとは限りません。
事実、あるペットショップの店長は「売れ残った犬猫は全部自分や家族で飼う」と話していました。
「殺されると解っているのに、渡すことはできない」と語る店員もいます。

しかし、そういったペットショップはごく稀なケースで、大抵の場合は上記の例に挙げた道をたどることになります。


写真2
(平成14年12月22日生まれ)
あえて画像をボカシましたが、このペットショップに生後4ヶ月という犬猫はいません


某大手のペットショップは、生後三ヶ月過ぎて商品価値が無くなってしまった犬猫は即刻処分の対象となっているとのこと。
ペットブームと言われている中、これらのことは現在進行形にて行われている事実ということを忘れて欲しくありません。



(※参考記事)
大学に動物譲渡 廃止へ 保健所
(青森)県は十四日の県議会環境厚生常任委員会で、保健所が収容したイヌやネコを、 実験動物として大学に譲渡することを廃止する方向で検討していることを明らかにした。
保健所は、人に危害を加える恐れのある野良イヌや野良ネコを捕獲したり、飼い主から飼えなくなったペットを引き取っている。その数は年間で約計三千五百匹にのぼり、そのほとんどが安楽死処分される。
このうち、一割にあたる約三百五十匹は、弘前大学医学部と北里大学獣医畜産学部に、医学と獣医学の発展を目的に、
実験動物として無償譲渡されてきた。
 しかし、今年度、動物の愛護や、人と動物の共生を目的とした「県動物愛護管理条例」が制定され、さらに新年度には、動物の愛護思想を啓発するための「県動物愛護センター(仮称)」が着工するなど、
「近年、動物をとりまく環境が変わってきている」(県薬務衛生課)。そこで大学側と廃止に向けて協議を進めている。
 ただ、譲渡を廃止すると、大学側も動物の調達が難しくなることから、同課では「段階的に譲渡を減らしていくことも考えられる」としている。
(読売新聞/青森)




写真3

PS・・・ 今、ブーム真っ盛りの 『チワワ』
大量に仕入れてきて高値で売りさばく、いわゆる悪徳業者が多くなってきています。 大量に仕入れて来る中で、過度の繁殖を繰り返した結果、障害や病気を患っている個体が多くなっているという話が出てきているのでご注意ください。
チワワなど洋犬の子犬は関節の病気に掛かり易く、生後数ヶ月の子も発病したり、生まれて来た時すでに患っているケースがありますが、それが顕著になってきているとか。 また、体に比べて頭が大きい為、水頭症にかかっていても、他の犬種に比べて素人目では発覚し難くなっているそうです。ペットショップ関係者の話によると、購入者は“デベソ”“歯の噛み合わせ”などの、ハッキリ解る見た目は気にするものの、脚や股関節などの部分はそんなに気にしないせいか、知らないまま購入するケースが増えてきているとか。  見る人が見れば解るので、ショップ側は知っている事も多いのですが、お客がいざ購入となった時、病気を持っていることを自発的に伝える事は無いと話しておりました。


悪徳ペットショップは、購入となる犬猫が病気や障害を

持っていたとしても、聞かれなきゃ答えないそうです。





売れれば良いわけですから。




また、一旦売れてしまえば、返品には応じないのは前回お伝えした通り。そうした障害を持った犬猫を買ってしまった飼い主の中には、治療などの処置は金がかかる為に保健所へというケースが、今、まさに起きているということを知っておいて欲しいのです。

ペットブーム・・・巷で言われているほど、綺麗で素晴らしいものではありません。
何度も書きましたが、ペットは生き物です。 壊れたからといって、新しく気軽に買い直すブランド品と同列ではないのです。

今回の取材を続けていく中で、コンパニオンアニマル というセリフが非常にもの悲しく聞こえてくるようになってきました―





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