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大阪府警に取材 珍走団ぶっとび新ポスター

 

大阪府警が7月1日から暴走族対策の新ポスターの配布を始めました。これまでは「みんなでつくろう暴走行為のない町」など当たりさわりのないものばかりでしたが、今回は「今どき、暴走族、恥ずかしくない?」と、ほどほどに挑発していて、まぁ今までと比べると画期的なことではないかと。私でしたら、もっと挑発しますけど。

暴走だけでこの腐った日本を救えるのかおまえら

とか。却下すか?

では、おとなしく大阪府警・交通課に取材した内容を書きますです。




BOSS: 今までの、言ってみれば“文部省的”なポスターとは、少し毛色の変わったポスターを作られたそうで?

府  警: ひとつ、まだ心配しているんですが、言葉の使い方はあれで良かったでしょうかね?大阪府下が対象のポスターですが「ダサー」という言い方は、関西で一般的だっただろうか、という面でまだ少し不安なんですが。

BOSS: いやいや、大丈夫だと思いますよ。昨年の検挙人数は654人だったそうですね。

府  警: 全国レベルでみると、一番の検挙人数です。とはいえ、暴走族の人数が多いんだから、当たり前ですが。

BOSS: やかましい音を立てて走っていく連中を見ていると「警察、もっとがんばってくれよー」という感じなんですが、警察のやり方や方針としては、どんな感じでお考えですか?

府  警: 「青少年の凶悪化」を言われてもおりますので、凶器をもって走るものはどんどん検挙していく方針です。6月から罰則も強化されましたし。検挙のやり方としては、少数で暴走するものを片っ端から検挙する、というのもやっていきたいですね。しかし、我々としては、目につく数台を押さえるよりも、大元を根こそぎ検挙したいと思っています。一網打尽にしたいわけですよ。最近はビデオによる検挙が、主流になっていますが、暴走している現場を押さえるのなら、こつこつと外堀から固めていって、がばっと検挙するというやり方をしています。

BOSS: 今回のポスターは暴走族のイメージダウンが狙いだともお見受けするんですが。

府  警: そうですね。暴走族をイメージアップするような雑誌や漫画も多いですからね。







BOSS: ところで、珍走団という言い方はご存じですか?

府  警: ちん? 知らない。なんなんです?

BOSS: 出所ははっきりわかりません。警察の方が言い出したという説もあれば、ネットの中から発生した、とも云われ、又、ダウンタウンの松本人志さんが言い出したとも云われています。要は暴走族が嫌いだ、と言う人が、暴走=ワル=カッコいいという図式になるから、暴走族なんて言い方をしてやる必用はない。チンドンヤと同じ扱いで、珍走団と呼んでしまえ。というわけなんです。つまり、呼び方そのものをダサくして、暴走族のやる気を削いでしまおうと。

府  警: 暴走族のやる気を削ぐということなら、今のポスターで、よくできていると思いますよ。

BOSS: いや、もっと、イメージダウンするんですよ。レディースのことは「珍走おんな」

府  警: そりゃ、お笑いの世界じゃないですか。

BOSS: そうかも知れませんが、イメージダウンしてやろうという意味で、今回の大阪府警さんのポスターと通じるものがあるのではないかと思うのですが。

府  警: うーん・・珍走団という呼び方は警察では無いでしょうね。警察ではそういった呼び方はしませんから。

BOSS: そういう呼称を採用するということはできないものでしょうか?

府  警: そんな言い方をしても、“なに?”という感じだなあ。一般的じゃなさすぎる。

BOSS: そういう言い方をすれば、よりイメージダウンにつながると思うんです。警察が率先して、新聞などのマスコミを使って「今日から暴走族は珍走団と呼称を改めます」というふうに発表すれば、こういう呼称はすぐに広まると思うんです。

府  警: 暴走族のイメージダウンを図るという意味では、あの「ダサー、他にやることないんかいな」という台詞で、十分だと思っていますよ。我々としては。

BOSS: しかし、我々としましては、どうせ、イメージダウンするのなら、もっともっと“格好悪いぞおまえら”というようなことを言ってやりたいんですよ。今回のポスターも「警察さん。もっともっと言ってやって!」という気分なんですが。

府  警: 言葉よりも、ポスターの漫画をみてもらえばよく分るでしょうし、これ以上、いろいろ悪口を並べるつもりはないんです。「珍走団」という耳慣れない言い方を使う気はないですよ。

BOSS: じゃあ、珍行隊(チ○コー隊)というのはどうです?非常に良いと思うんですが。粋がって走り回っている暴走族に、道行くみんなが「あ、チ○コだ。チ○コが走っている!」といえば、大いに水を差すと思うんです。

府  警: あなたはどうしても、そういう言い方をさせたいんですね。

BOSS: はい。実はそうなんです。

府  警: 警察としては、あのポスターで十分だと思っています。というのは、“貶める、悪口を並べる”といった、単なるイメージダウンが目的と言うわけではないんですよ。「おまえらは悪い!」と、言いつのるだけじゃなくて「そんなことより、他にやることがあるだろう」「そんな、人に迷惑がかかるようなことはもうやめなさいよ」と、青少年の更正をうながすというのが、主な目的なんですよ。つまり「悪い悪い」だけじゃなくて、「他にすることはないのか?」「将来を考えて、就職なり何なりしなさいよ」というふうにね。

BOSS: なるほど。

府  警: もちろん、あなた方の方で、そういう呼び方を広めてもらうというのは、ご自由になさってもらえばいいかと思いますが。

BOSS: 分かりました、やります。で、暴走族を完全になくす方法はありますか?

府  警: 完全にですか?

BOSS: 完全にです。

府  警: そりゃ、やっぱり、警察官を増やすことでしょうね。

BOSS: 今のままでは少ないですか?

府  警: 少ないですね。あと、家族がしっかりしないと。大体、家族や両親がしっかりしないと、子供達は悪い方へ流されがちです。

BOSS: 暴走族の、その後というのは、どうなんでしょう。暴力団へ流れがちだとの話もありますが。

府  警: いや、そんなのばかりじゃありません。むしろ、普通に就職していく者が大半ですよ。本来、普通の若者達なんですよ。みんな仕事を持っているのに、いまは、単に学校行くのが面白くない、という理由からやっている。だからこそ「ほかにやることあるだろう」というポスターなんです。





丁寧に答えてくれた大阪府警さまにあつくお礼を申し上げます。





  取材風景








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