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東京に春の訪れを告げてみる


東京では緑が死滅しているため、季節の風物詩を味わえる機会が少ない。

写真 渋谷。たしかに死滅している。

春の風物詩といえばだが、当然こんな状況の都民は一目見ることもなかなか叶わない。
これは悲しいことである。四季折々の風情を味わうことは日本人の古来からの喜びであるのに、
東京に住んでいるだけでその喜びから遠ざかってしまうのだ。

だが絶望する必要はない!
自然が少ない?四季の風情?そんなもん田舎に任せておけばいいのだ。
東京は自然は少ないがは多いぞ。
人が多いからこそ目の当たりに出来る「春の風物詩」があるじゃないか!!

変質者だ。

「変質者が出たよ」「最近春だしねぇ」こんなやり取りをしたことがある人も多いはず。
正真正銘由緒正しき季節の風物詩、変質者は春の訪れをみんなに告げる天使なのだ。

というわけで今回は私自身が「変質者」になって東京に春の訪れを告げにいってみようと思う。



さて、まず私は変質者にならなくてはならない。
ここが難しい問題だ。変質者は「変」な人間だが「変」の価値観は人それぞれ違うからだ。
よって誰が見ても即座に変質者と判断できる理想的な変質者像を定義する必要がある。

そのために日本を代表する高名な変質者三名をモデルケースに分析してみることにした。


日本を代表する変質者 ケース01

写真
変なおじさん
写真をご覧いただけるだろうか?変である。あからさまに不審である。そもそも名前が「変な」おじさんである。つまり変質者に必要な要素として「自己主張が強い」ということが挙げられる。目立たなくてはならないのだ。これは驚きの発見だ。変質者は不審だから目に付くのかと思いきや、実は彼らの方から熱烈なアピールをしていたのだ。
また彼の顔面をよく見てほしい。顔の右側の巨大なホクロが確認できると思う。これも偶然目についたように思われるが実は違う。これは美術用語で言うところのアシンメトリーの技術を用いている。わざと顔を左右非対称にすることで見る者に違和感を与え、不審である、という印象を残すのだ。計算されつくされた変質の技術は芸術の粋。体は右と左を非対称だ。みんな!覚えておこう!


日本を代表する変質者 ケース02
写真
アホアホマン
これも相当不審である。ムキムキの肉じゅばんと深くしわの寄った眉間、これだけ見ると勇猛なただの一般人だが、胸に張られたケーキのワッペンと下半身のオムツは無邪気な子供を連想させる。意味不明だ。というかむしろ突拍子がない。ここから言える事は立派な変質者になるには一目見られたその外見だけで相手の意表をつく必要があるということだ。
しかしこれがまた難しい。人の意表をつく「変」な格好をしたところで、その「変」に少しでも作り手の「変にしよう」という意図が垣間見えていてはギャラリーは興ざめで一人前の変質者と認めてはもらえないし、「変」な格好に少しでもお洒落な要素が入ってしまえば「彼は前衛芸術家なのだろう」と勘違いされ、不審に思ってもらえない。服装はあくまでも自然に、そしてもっさりと。これが変質者着付けの心得だ。


日本を代表する変質者 ケース03
写真
変態仮面
彼は変態だ。なぜならパンツを頭に被っているからである。自分は完全に公共的倫理観や性的倫理観が壊滅しているのだと全身でアピールしている。ただこれは非常に変質者になるために有効な方法であり、貞操観念をしっかり持った人間、特に女性に高確率で立派な変質者であると判断してもらえる。実際毎年のようにこの方法で変質者として行動し、自分の性器などを往来で露出、一躍変質者と認知された人々がテレビで報じられることから分かるように変質者としてはもっともポピュラーなタイプである。ただ日本には公然わいせつは罪であるという取り決めがなされているため、変質者を志しこれをすると警察の人に叱られる。

さぁ、この三名の分析は終了した。キーワードは、
自己アピール、左右非対称、突拍子の無さ、性犯罪、である。


これを踏まえたうえで、早速変質者になってみた!その模様を次のページで!!



ニノマ
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