突然だが、
これを飲む。そして寝る。めっちゃおしっこしたいけど寝る。 何故こんな愚かなことをするのか。 おもらしは現代日本の最悪の禁忌だ。 それを犯す者はクソ野郎、もしくは聖水野郎などと罵られ人の道を踏み外す。 だから大人はおねしょはしない。 でも世の中に絶対なんてない。 そもそも寝る前にトイレにいくし、尿意が激しかったら眠れない。 だからおねしょをしないだけなのではないか。 限界までおしっこを我慢して薬で無理やり眠った場合でも、 大人はその尊厳にかけておねしょを回避できるのか? 名づけて、尿意は睡魔に勝てるのか。 服用。 予想される結果は三つ。 ・睡眠薬をもってしても眠ることが出来ない。尿意の勝ち。 ・眠っても「本当の」尿意の限界になれば目覚める。尿意の勝ち。 ・私は破滅する。睡魔の勝ち。 一か八かだ。かなり緊張している。オムツは履いているのは保険だ。 というか本当に本当に本当におしっこが漏れそうで、実は泣きそうなのだ。 とにもかくにも、眠りにつくべく横になることにする。 ズボンを履き、布団へ。 〜検証開始〜 おやすみなさい。さようなら。 目を閉じるがさっぱり眠れない。 ハルシオンで頭が痺れたようになってきているのがわかるが、 いかんせん膀胱が破裂しそうなほど尿がたまっているのが苦しい。 しかしそれ以外にも私の心に重くのしかかる何らかの感情があることに気づく。 尿意と眠気がせめぎ合う。 この感情には覚えがある…、恐怖だ、二十を越えてのおねしょ。 人の道を踏み外すことに私は恐怖を感じている。 だめだ、眠れない。 刻一刻と膀胱におしっこが溜まっていく。限界は近い。 このままではただ布団に横になったままおしっこをするめんどくさがり屋の変態だ。 頑張って寝よう。 ・ ・ ・ 寝た。 頬を叩いても起きない。無駄に強力なハルシオン。 …おねしょをする時決まって人は水に関係した夢を見る。 のび太は大洪水の中でしずかちゃんを助ける夢を見た。 冷たい水がのび太のおしっこで温かくなるという夢だ。狂っている。 私も夢を見た。ハルシオンの効果だったのだろう、支離滅裂な夢だった。 肉体が羽毛でできた巨大な王様の背中にのって黄金の麦畑の上を飛ぶのだ。王様は優しかった。 目覚めた。 あっ。 あっ、あ、あ…。 …やっべぇ。 眠る前、あれほど強烈だった尿意が嘘のように消え去っている。 大丈夫。大丈夫だ落ち着け。水の夢は見なかった。そんなはずはない。信じるんだ。自分を。 ※シーツの裂け目はもともとです。 …。 (絶句) おねしょして泣く22歳。 やっちまった…。嘘みたいだが本当に泣いた。 もうビタビタ。 オムツ意味ねぇ。サイドギャザーって何だ!?横からめっちゃ漏れとりますがな。 私の人としての一生は終わった。結論になる。 尿意は睡魔に勝てません。 今思えばハルシオンの量がダメだったのだ。 こんな思いをするくらいなら百錠くらい飲んどきゃよかった。 当分表は歩かない。 ニノマ |
|
探偵ファイルのトップへ戻る |
|