ワンピース再現　ロロノア・ゾロ“三代目鬼徹”

やってまいりました。今回は、少年ジャンプ連載中の“ワンピース”の再現。
現在44巻まで発売されている傑作と名高いこの作品、
読者のハートをがっちり掴んで離さない名シーンはたくさんあるわけですが、
今回再現するシーンは、

ロロノア・ゾロ

激戦の果てに自らの刀を失ったゾロ。
そんな彼がたどり着いたある街で「妖刀」と恐れられる“三代目鬼徹”に出会う。
これまで、鬼徹を所有した人間は全員命を失ったという刀屋の店主の話に興味を示したゾロ。
自分が妖刀を所有するにふさわしい器の持ち主であるか、こんな方法で試すわけです。

刀が落ちてくるまでに26文字も喋る店主の早口。

非常にかっこいい。

これ、やりましょう。

形ばかりでもゾロにあやかる。

今回の計画はこうだ！
おれの“運”とコイツの“呪い”…、どっちが強ェか、試してみる。

再現　スタート！！

俺が負けたら、〜中略〜、男だ。

　うりゃあ。

中空を回転する白刃！陽光を浴びて妖しく輝く。
そして重力にいざなわれ、速力を増して落下し始める！
果たして剣豪ロロノア・ゾロと、肩を並べることができるのかっ！？

どがっ。

うっぎゃああああああああっ！！！


U R L 
EMBED

失敗だぁああっ！！痛ぇええええええっっっ！！！！
ゾロと凡人の器の違いが如実に表れた結果になってしまった。
おー痛て。こりゃ普通に打撲だ。

…。あれ？血は？切れていないのか？、といぶかしむ読者さんの視線。

そうなんですよ。今回再現に使用している刀、残念ながら模造刀。
当然刃はついていない。まぁ、本物の刀と同じ重量があるので、
大根くらいは簡単に両断できますが。

血に飢えた読者の皆様に鮮血をお送りできなくてまことに無念、その点は謝罪します、
が！
本物の刀で失敗すればそれで打ち止め終了です、しかし、
模造刀ならば何回でも失敗できるというメリットがある！
だから何回でもやる。馬鹿の一つ覚えのようにやる。狂ったようにやる。成功するまで。

ガンガンいくぜっ！！

2〜7回目


全ミス！とにかく痛い。本当に重いんすわ、この刀。
最初から解りきっていたことではあるんですが、全く成功する気配が見えない。
しかしあきらめるわけにはいかない。

8〜13回目


一向に成功しない。
どうにも刀の折り合いが悪い。肘に何度もあたって、もう腕を持ち上げるだけで激痛。
あと九回目で、
剣先が腕に突き刺さった。

なんでだっ！？これはこれで確率的に稀有な例のはず。
何故運の悪い方向に傾くんだ？実はワンピースなんて読んでないせいか？

14〜19回目


19回目でまたもや突き刺さる。

血。

ぜんっぜん成功しない。刀くらいまくって腕が他人のもののような感覚だ。
握力が全く入らない。早く成功しないと刀を投げることが出来なくなる可能性が出てきたぞ。
といっても、おれに出来ることは刀を投げ続けることだけなわけで。

20〜25回目


成功皆無。
失敗と痛みはもうどうしようもないんで、放っておくとして、
いかんともしがたいのはカメラの外に集まり始めた少年達だ。
どうもこの姿と刀という最強の記号を使ってもおれのことをゾロと認識してはくれないらしく、
少年達が送る視線は、あきらかに変質者を見るそれだ。
にやにや笑いながら写メールを撮っている。
きっとおれは明日の教室の笑いものだ。ひどく気が滅入ってきた。

26〜31回目


全ミス。
修行だ。これは修行であると思い込むことにした。
きっとこれを成し遂げればおれは一皮むけるのだ。なにかいいことがあるはずだ。

なかった。

刀の柄が、折れる。
なんだっていうんだ？こんな壊れ方をした刀を見たのは初めてだぞ。
しかし一番の問題はこの模造刀が事務所の備品だということだ。買取り…、か。

いろいろと絶望的だ。
心と体のコンディションが最悪な状況。
このまま刀破損や腕の限界で「成功できませんでした」では、もう事務所の敷居はまたげない。

そして、32回目。
投げる。
…。
…っ！

成功したっ！！



すり抜けていくように腕にかすりもせず落下していった！！
やった！！やったぁあああああ！！！本当に成功するとは！！

というわけで皆さん！！
この運試しの成功率は、1/32
約3パーセントに自分の腕を賭けたゾロはどれだけ無謀なんだか。しかも余興で。
あそこで腕を失っていたら主人公一行の戦力、一気に激ダウン。
多分次の敵との戦いでワンピース「完」の運びです。
現実世界に生きるわれわれは、リスクを避けて堅実に生きていこうというお話でした。

あ、ちなみに、ゾロのファンだから私もこれやってみたいとかいって、この挑戦やっちゃうと、
きっとワンピースが嫌いになります。



ニノマ