哀・戦士 KIM
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◆人はチャリンコ24時間でどこまで逝けるか?(後編) |
とりあえず、12時間チャリンコを漕ぎ続けて半分終わりました。 俺のやっていることに何か意味はあるのだろうか…? どよ〜んとした気分になったので、ここで唯一の装備品に手を出したいと思います。 装備品とは勿論! リゲインですъ(゜-^)ウマーといったカンジに一気に飲み干してしまいました。 これで残り12時間も戦えマスカ?(疑問語) 13:00 静岡県裾野市御宿付近 13:40 静岡まで59km。
東京から170kmだったので、170-59=111km 走った計算です。 14:00 静岡県沼津市東熊堂付近 15:00 静岡県富士市桧付近 疲労の為、思考能力が失われてしまいました。 ただ自転車を走らせるだけです。 マシーンと変わりませんね。 自転車で走るだけで何の役にも立たないマシーンがあるとは思えませんが。 16:00 静岡県富士市五貫島付近 ついに日が沈んでしまいました。
17:00 静岡県庵原郡由比町今宿付近 18:00 静岡県清水市本郷町付近 この辺りで、「ホントに逃げちゃおうかなぁ」などと弱音を吐き始めましたのを覚えています。 19:00 静岡県静岡市横田町付近 20:00 静岡県静岡市栄町付近 21:00 静岡県志太郡岡部町内谷付近 21時間が経過した時点での体の症状。 ・股擦れ --------- 後で見てみたら、パンツに血がついていました…。 ・両膝の激痛 ----- おそらく靭帯が痛んだのでしょう。 ・両手の平の麻痺 - 素手で長時間ハンドルを握っていた為、感覚が無くなってしまいました。 ・喉の痛み ------- 排ガスを吸い続けた為に、酷く痛みます。 22:00 静岡県藤枝市岡出山2丁目付近 実はこの数時間の記憶があまり無いのです。 睡眠不足と疲労により意識は朦朧として大変危険な状態だったと思われます。 肉体も限界に達していた事でしょう。 それでも走り続ける私って健気ですねぇ…(自分で言うなよ)。 23:00 静岡県島田市野田付近 遂に遂に遂に!残り1時間となりました。…が、最後で最大の難関が立ち塞がったのです。 それは“歩行者・自転車通行禁止”の道路。 高速道路のように、曲がりくねったスロープから1号へと進入するようになっています。 しかも今は深夜。真っ暗闇での走行は、御殿場以上の危険を孕んでいます。 困り果てた私は近くのコンビニの店員に尋ねてみました。 キム:すみません。掛川に行きたいのですが、直ぐそこのバイパスを使わないで行く道 ってございますか? 店員:ああ、無いね。真っ直ぐ行ったら、千葉山って山の中に入って行っちゃうから、 全然違う所に行っちゃうし。掛川に行くのなら1号しか無いよ。 キム:そうか…。やはり避けては通れぬ道なのだな(メラメラメラ) 店員:そうそう。で、何で行くの? キム:自転車です(きっぱり) 店員:Σ(´Д`;)止めとけ!それだけは止めとけ!マジで轢かれるぞ! 店員が必死に引き止めますが、覚悟完了した私の耳には届きません。 これこそ最後の聖戦なのですから。←かなりヤケクソ
キム註:
この直後、本当に凄まじい戦いが行われたのですが、頭が真っ白になっていた為、映像を撮る事を失念してしまいました。申し訳ありません。…単に生きるのに精一杯だっただけかもしれませんが。 24:00 静岡県榛原郡金谷町島付近 無常であり、待ちに待っていた時計の音が鳴り響きました。 10分ほど前より土砂降りの雨が降り続けています。 体は限界に達し、意識は朦朧。 ちょっとでも気を抜けば気絶しそうです。 それでも気力を振り絞り、1号を下りました。 其処は… 静岡県榛原郡金谷町。 掛川まであと僅かという距離にある町です。 此処が24時間自転車で走り続けた私のゴール地点です。 近くにあったコンビニに飛び込み、店員さんに24時の証人になって頂きました。 「終わった…。」 ボロボロになりながら編集部へとTELします。 編集長:お?終わったか? キ ム:はい。終わりました…。 編集長:結局何処まで行ったの? キ ム:え〜と、静岡県の金谷ってとこですね。掛川の手前です…。 私の頭の中では、"早く休みたい" "早く眠りたい" という思いしかありませんでした。 ライフゲージが点滅していて超必殺技が出し放題な状態なのですから無理もありません。 次の瞬間。そんな私の考えを打ち崩す言葉が編集長の口から飛び出て来ました。 編集長:御苦労様。んじゃ1人でなんとか帰って来てくれ。 キ ム:......は? 編集長:だから、1人で帰って来い。 キ ム:ハァ!?(; ̄□ ̄) 山木さんとかが、むっ、迎えに来てくれるんじゃ無かっ たのですか!? 編集長:そんな遠い所まで行っちゃったら、迎えに行けるはずないじゃん。っつーか、 山木は“迎えに行ったら、自分の業務に差支えが・・・”っていって逃げた。 キ ム:なんですとぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!? 編集長:自転車はちゃんと持って帰って来いよ。じゃあな。(ガチャッ、プープープー) 探偵ファイルの洗礼を受け、遂に逝くキム
うををッ!帰ったら山木氏&編集長を斬鉄剣で叩き斬りたい。とことん叩き斬りたい。 いや、まてよ。 ライオンが子供を千尋の谷に突き落とすように、これは「探偵ファイルのメンバー」として試されているに違いないと思いました。 そうでなければ、こんなムチャクチャででテキトーなことをするハズがありません。 さて、そうと分かればサクっと帰って皆から探偵ファイルメンバーとしてのお墨付きを貰うまでですが、財布を事務所に置いて来てしまった為、金を使う事は出来ません《TДT》 あらゆるテクニックを使ってなんとか明朝、東京の事務所に辿り着く事に成功した私。 (かなり人生観が変わりました。あんな事を人に頼んでいる姿は親に見せられません…) ボロボロになりながらも、事務所にもどると元気な声で挨拶。 キ ム:ただいま戻りました! 編集長:おう、お疲れさん。ケツの痛みに耐えてよく頑張った!感動した! と、小泉総理の真似で編集長が出迎えてくれました(山木さんはまだ逃走中らしい)。 キ ム:編集長!これでボクは(探偵ファイルのメンバーとして)合格でしょうか? 編集長:ん?合格って何のこと? キ ム:え?これは本当は体力とか根性とかをいろいろ試す試験みたいなものじゃない んでしょうか? 編集長:いや、ただテキトーにテレビみて思いついただけ。 ガ━━━━━━━━(゜Д゜;)━━━━━━━━ン! タダの思いつきでこんなことをやらせるのかよ!この事務所は!! とか思ってボウゼンとしていると、編集長は他の調査員と... 「次は北に24時間だな」 「いやいや、4日間で何処まで行けるかだ」 「いやいや、キックボードで24時間っスよ!」 とかワイワイ言っています。無茶苦茶です。 拝啓、おふくろ様。嵐の予感が致します…。 <結果報告> 0時 東京都港区青山二丁目発 〜 24時 静岡県榛原郡金谷町着 総走行距離 約200km 使用した乗り物 どノーマルのママチャリ 使用したルート 246号〜1号(ホントにこれのみ) 転倒した回数 3回 階段を上り下りした回数 3回(厚木市だけ) 轢かれそうになった回数 数え切れない トラックの運ちゃんに怒鳴れた回数 いっぱい 自転車を引き止められた回数 3回 強行突破回数 3回 食事 無し 飲み物 500mlペットボトル4本 + リゲイン2本 追記 自宅に帰ってからTVをつけると、三島の立て篭もり事件をガンガン放映していました。 三島?...私が通過した時刻と場所のほんの僅か先じゃないですか! 一方ではスクープを、一方では耐久レースを。何やってるんでしょうね私(苦笑)。 三島の事件と私の通過ポイントのタイムスケジュールを照らし合わせてみると面白いかもしれません。 「紙一重か…」 走行距離約200km
山木「車だったら、3時間・・・か。」 ( 探偵ファイル・キム )
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