斬鉄剣!!! Ver.2
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◆山木、修羅の門をくぐってみる |
前回、宮本武蔵の真似事をやったのが余程好評だったようで(人の不幸は蜜の味とか言いますからねえ)歴史上の人物の逸話をもっと再現すれというメールがアホのように来ました。 「あんた馬鹿ぁ!? アッタマ、おかしいんじゃないの!?」という、どこぞのアニメキャラが言いそうな、励ましだか何だか、よく判らないお便りを送ってくれた方までいたんですよ。 でもまあ、好評ならいいか、ということで今回も道場に行った折に師範と「ザ・再現」をやるわけなんですが・・・ 道場に持ってきた指示書を見て絶句。母さん、あの事務所には鬼が棲んでいます 修羅の刻 一巻 陸奥八雲 VS 九鬼源次郎
マンガの出来事じゃねえかよ。
何が修羅の刻だ! やるなら同じ作者の作品の「パラダイス学園」にでもしてくれと言いたいところですが。だいたい陸奥なんたらってマンガのキャラじゃないですか。九鬼とか言うのも実在の人物かどうかもわからないし。第一、「居合い」を拳で止めることが出来るくらいなら探偵稼業などしません!と必死で猛抗議しましたが認められません・・・。 まあ・・・いつものことですけどね!! 「本当にやるの・・・? 死ぬよ?」 そうです。いくらなんでも拳で止める、というのは出来ません。ヘタしたら腕が飛んでしまいますよ! ということで「居合い」を踏み込み避けて、上段蹴りという流れに変更させていただきました。(ヘタレとか言うな!) 無手で刀と対峙 構えた桔抄さんの前に立ちます。・・・怖ぇ。 無手で刀と対峙するのが、こんなに怖いなんて・・・。「剣道三倍段」(※)という話は伊達じゃないと実感します。一歩間違えたら大惨事、緊張は最高潮に・・・。 動いた! 避けた!! 人間、やる気になったなら何とかなるもんです。よし、このままガラ空きのわき腹に左廻し蹴りを叩き込もうと・・・思い、蹴りの体勢に入った時・・・ 刀が戻って来やがった 無理やり、体を沈み込ませて、刀を避けました。無茶な沈ませ方をした為、蹴りは当たりませんでした・・・情けない。 って、アタマの上を刀が抜けて行きましたよ!
髪を斬られましたってば!! なに、「燕返し」なんて技、出してんですか、桔抄さん! 殺す気ですかぁ!! 「修羅の刻」にこんな図は無かったし、やるなんて一言も無かったじゃないですか! 「え・・・やっぱ、抜き打ちだけじゃ、面白くないだろうから。」 ・・・・気遣って頂いて、ありがとうございます。 こんなシチュエーション、漫画やアニメの世界だけだと思ってましたよ、ホントに。 しかし、この人は何の躊躇いもなく刀を抜きますね・・・。確かに「抜かば斬れ(※)」とは剣術の極意ですが。ヘタしたら韓国のギャルゲーみたいになっていたかもしれないというのに。 http://www.sun-denshi.co.jp/soft/pc/tomak/info.htm いずれにせよ、予期せぬイレギュラーに背筋がビッショリです。 ふ〜・・・と、一息いてたら、指示書に二枚目があったのを発見。 修羅の刻 三巻 陸奥出海 VS 沖田総司
三段突きを避けて、脇腹を蹴れ・・・と。母さん、この事務所には鬼(以下略)。 突きを避けるのは、斬りを避けるのより、ずっと難しいんですが・・・。まぁ、そんなこと言ったところで却下されるんでしょうけど。 だから、一つだけ条件を出しました。 僕は、陸奥なんたらをやる前以前の話で、空手系の格闘技は殆ど経験が無いために「蹴り」が下手です。かなり動作が鈍るので、今回は蹴りではなく、「掌打」に変更させて頂きました(頼むから、へタレとか言わないで・・) 再び対峙 つ〜わけで、再び対峙する僕達。これも失敗したら、大惨事です。 てゆ〜かさ・・・ 刀を持ってても勝てない相手に、 何で無手で挑んでんだ・・ ピリピリしていく空間・・・。 息が詰まりそう。 ・・・剣先が下に下がった・・・来ます!
避けれた! そのまま二の突きの時で、懐に入ります。三の突きまでやらせません。 ‘みぞおち’目掛けて、掌打を・・・ 「見え見えだよ。」・・・そんな声が聞こえた。 あぐぅ・・・。。 平打ち(刀の腹で叩くこと)とはいえ、痛いよぉ・・・。 青痣、決定です。 師範の優しさか、刃筋は立てなかったみたいですね・・・立っていたら、腕を無くしていたところでした。 もう、この企画止めましょう! 陸奥にはなれません! そもそも、刀持っている剣術家に無手で挑むこと自体、変!! 結論 陸奥圓明流ではなく、 山木延命流ならできます。 ( 探偵ファイル・山木 )
※ 剣道三倍段 剣道は武器を持っている分、空手などの他の格闘技者が挑む場合は相当な実力が必要となります。剣道初段の相手に対しては、三段を持っていて互角と言われています。 ※ 抜かば斬れ、抜かずば斬るな、この刀 ただ斬ることに、大事こそあれ 「居合い」の道歌の一つです。「居合い」は抜くまでが勝負なので、 抜いた以上斬れ――という意味です。 |